12月28日は要注意?!スペイン語圏のエイプリルフール
2021.12.28
今年も残り少なくなりました。日本では暮れの忙しい時期ですが、スペインではまだまだクリスマスの雰囲気が続きます。そして、12月28日はスペインや他のスペイン語圏の国ではDía de los Santos Inocentesを祝います。この日は、罪のない嘘をついたりいたずらをして笑い合う、エイプリルフールのような日になっています。
楽しそうな日なのですが、その起源は残酷で悲しい出来事にあります。 星の導きによりイエス・キリストの誕生を知った東方の三賢王はユダヤの地に向かい、途中、その地を治めるヘロデ王に会い、「ユダヤの王のイエス・キリストはどこで生まれたのでしょうか」と尋ねます。何も知らないヘロデ王は、イエスの誕生の地がわかったら教えるように三賢王に命じますが、三賢王は再び姿を見せることはありませんでした。
イエスが自分の王座を脅かす存在になるのを恐れたヘロデ王は、ベツレヘムとその周辺の2歳以下の男児を皆殺しにするよう命じたため、罪のない幼子が犠牲になりました。神のお告げでそのことを事前に知ったヨセフがマリアとイエスを連れてエジプトに逃げたため、イエスは助かりました。Santos Inocentesは殺されてしまった「罪のない子供たち」を意味しています。
こんな悲しい日ですが、昔から12月の中頃から新年にかけて行われていたローマの農耕の神のサトゥルノ(サタン)のお祝いなどと結びついて現在の形になっていったようです。三賢王がキリストに会ったとされるのが1月6日だとすれば、Día de los Santos Inocentesはこれより後になる気もしますが…
この日は、紙で作った人形(inocentada)を気付かれないように他の人の背中に貼り付けたり、ラジオやテレビでフェイクニュースが流されたり、芸能人にドッキリカメラが仕掛けられたりします。他にも時計の時間を狂わせたり、塩と砂糖を入れ替えたり、友達に他愛のない嘘をついたり。嘘やいたずらがうまくいったら「Inocente!」と笑い合います。
12月28日はスペイン語圏にいる人達は要注意!inocentadaを貼り付けられないように気をつけましょう。フェイクニュースにも注意を!笑っていたずらを楽しんでしまいましょう。