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RAEのオンライン辞書、検索回数1億回の最高記録達成

2020.05.19

2020年4月、RAE(スペイン王立アカデミー)のオンライン辞書の検索回数が1億回に達しました。これは過去最高で、前々月の2月の30%増。外出禁止期間中にコロナウイルス関連の言葉を検索する人が多かったようです。検索の58%はスマートフォンからのものでした。検索の大半はスペインからですが、メキシコやアルゼンチン、米国などからも多く検索されています。

 

どんな言葉が検索されたのかというと、上位は、cuarentena(検疫、隔離)、confinamiento(外出禁止、監禁)、pandemia(パンデミア)の3語。続いて、estado(情勢、事態)、virus(ウイルス)、epidemia(流行、蔓延、伝染病)、confinar(閉じ込める)、diezmar(多くの死者を出す)、cuidar(世話をする、気をつける)、barbijo(マスク)など。意外にも、coronavirus(コロナウイルス)、desescalada(減少、引き下げ)、sanitizar(消毒する)、covid(新型コロナウイルス感染症の略称)などの最近よく見かける言葉はまだRAEの辞書には収録されていません。

 

コロナウイルスに直接関連しない言葉では、robot(ロボット)、resiliencia(回復力、復元力) unir(団結する)、hallar(見つける)、significar(意味する、示す)などが多く検索されたそうです。

 

外出禁止がスペインで始まった3月12日からRAEはオンラインのサービス、特にオンライン辞書に力を入れてきました。Twitterでのスペイン語についての質問コーナーも人気があり、ここ数週間でRAEは17,000個以上もの質問に答えています。この質問コーナーは一般の人からの質問にRAEが答えるもので、ユニークな質問にもきちんと答えてくれるので人気があるようです。最近の質問の多くはコロナ関連でした。

 

質問の一つに新型コロナウイルス感染症の略称“COVID-19”につける冠詞についてのものがありました。通常、ウイルスの“coronavirus”につける冠詞が男性のelであるのにならって、“el COVID-19”となるそうです。同様に、ジカ熱“el zika”、エボラ出血熱“el ébola”も男性の冠詞がついています。一方、WHOのページでは“la COVID-19”となっていますが、これは病気を意味するスペイン語が“enfermedad”で女性名詞なので女性扱いになっているのだそうです。RAEによると、どちらも正しい用法だそうです。

 

スペインでは5月の始めからコロナウイルス感染防止のための規制の緩和が始まっています。緊急事態宣言はまだ解除されていませんが、段階的に規制が緩和されていく予定です。RAEの辞書で検索される言葉はどう変わっていくのでしょうか。