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RAEのtwitterアカウント活用術

2019.08.06

Real Academia Española(スペイン王立アカデミー)、通称RAEといえば、スペインで最も権威のある言語アカデミーです。スペイン語について調べたい時は、このRAEが刊行している『スペイン語辞典』(西西辞典)や、RAEのWEBサイト(www.rae.es)の辞書で検索するのが良策でしょう。もちろんスペイン語の知識がある程度必要にはなりますが、語学はレベルアップとともに、英語なら英英辞典を使う、スペイン語なら西西辞典を使う、と、言語を使って言語のことを学ぶという習慣が必要になっていきます。始めのうちは、辞書で引いた結果に書かれている説明文のスペイン語がわからずに時間がかかりますが、特に中上級(B2〜)以上のスペイン語のレベルアップを目指している方は、意識的に西西の環境になれるようにしましょう。

 

 

今回はそんな「スペイン語を使ってスペイン語を勉強」している方たちに役立つツールの1つをご紹介します。それは、上で紹介しているRAEのtwitterアカウント(@RAEinforma)です。アカウントをお持ちの方はぜひフォローしておきましょう。このRAEのアカウントの親切なところは、スペイン語に関する質問をスペイン語で送ったら、きっちりと返事をかえしてくれるところです。なお質問する際はスペイン語でメッセージを送るだけではなく、タグ「#dudaRAE」もつける必要があります。また自分が何を知りたいのかなるべくはっきりわかるように書いておきましょう(例文を載せるという手もあります)。スペイン語ネイティブを含め、世界中からのおびただしい量の質問に対応しているので、返事には1日〜数日かかることもありますが、「こんな時は定冠詞をつけるの?」「これは複数形なの?」など、日常的にスペイン語を使っていると出てくる細かい疑問を解消することができます。ただし、便利だからといって、あてずっぽうになんでもかんでも質問しまくらないように! ちゃんと「この表現でいいのかな?」と熟考して、それでも正解がどうしてもわからない、細かい概念が掴めない……という場合のみ質問しましょう。自分の力で答えを考えるというプロセスもとても大切です。

 

さて! 実際にADELANTEのアカウントでも@RAEinformaに質問をしてみました。

 

(こんにちは。”a trompicones”(よろめいて)という表現に関して、
 あるスペイン語の本で別の書き方で”a los trompicones”を見つけました。
 この2つはどちらも同じ表現として使用されていますか?)

 

スペイン語の文章を読んでいるとよくある「同一表現でも定冠詞がついていたりついていなかったりする」一例を質問してみました。なおRAEの回答は「これが正しい」「あれが正しい」と言うだけではなくて、ちゃんと根拠も示してくれます。スペイン語にはたまに「ネイティブよって正解が変わる」時制や表現などもありますが、そんな時こそ頼りになる存在です。回答には数日かかると思いますが、焦らずに待ってみます! RAEからの回答が届いたらこの下に追記します。

皆さんも「すぐに正解が必要ではないけれど、これはどちらが正解なのか気になるな〜」という疑問点があったら@RAEinformaに聞いてみてはいかがでしょうか。もちろん同じ質問は、ADELANTEの先生たちにもぶつけてみてくださいね。

 

※8月6日12:00追記

RAEの最新投稿によると、現在、スペイン時間の8月5日15時から19日8時までに寄せられた質問には回答できないようです。上の質問は5日午前中に届いているはずなのでギリギリ間に合いそうですが😅せっかくご紹介したのにちょっと残念ですが、興味を持った方はしばらく待ってみて試してください。

 

 

 

※8月8日9:00追記

無事にRAEからの回答が届きました!!

 

(説明:一般化され、かつ『DLE』(=スペイン王立アカデミーの『スペイン語辞典』)に
 登録されている用法は«a trompicones»です。
 しかしラテンアメリカの一部の国では«a los trompicones»という用法も混在しています。
 「何千もの通行人は、よろめきながら(=«a los trompicones»)建物の中に避難した」
 (ガブリエル・ガルシア=マルケス『生きて、語り伝える』より)

 

……質問したスタッフは二重の意味で★感動★しました。まずとても丁寧な回答をもらえたこと。次に、例として書物からの引用をつけてくれています。『百年の孤独』で著名なコロンビアの文豪ガルシア=マルケスが2002年に刊行した自伝『生きて、語り伝える』です。実は、この本はスタッフが質問の時に書いた「あるスペイン語の本」と同じ本でした。偶然だと思いますが、まさにドンピシャの例文で返ってきて驚嘆……。確かに、この本でガルシア=マルケスは頻繁に«a los trompicones»を書いていて、引用されている文は未曾有の豪雨で街が水害にあった場面です……話が脱線してしまいましたが、なるほどなるほど、スペインと中南米では記述法が上のように多少変化する用語があるということですね〜。また1つ勉強になりました。

 

 さすが由緒ある国家機関のスペイン王立アカデミー。ノンネイティブだとどうしても気になってしまう些細な疑問への心強い味方。特に今回の例のように、辞書と原文とで書き方が異なる表現を目にした場合は、それが誤っているのか、あるいは記述法にバリエーションがあるのか、確かめることができるのはとても便利で親切なサービスですね。