プラド美術館の《モナ・リザ》
2019.07.04The Mona Lisa, ANONYMOUS ©Museo Nacional del Prado
《モナ・リザ》といえばパリのルーブル美術館に架けられている人類の至宝、世界で最も有名な絵画ですが……実は、プラド美術館にも《モナ・リザ》があることをご存知でしたでしょうか?
こちらの《モナ・リザ》は、もちろんダ・ヴィンチの本物の絵画のコピーです。16世紀にスペイン人の画家が手がけたと推察されていましたが、新たな調査によって、むしろ本物のモナ・リザが描かれたのとほぼ同じ時期(1503-1519年)に描かれたことが明らかになったとのことです(2019年6月24日付 cadenaser.com)。そしてこのマドリードの《モナ・リザ》は、作者不詳ですがダ・ヴィンチの技術と非常に近い技術を持っていた者が描いているとのこと。つまり数多ある《モナ・リザ》のコピーの中でも、ほぼ本物の制作直後に描かれた、最も初期の作品であることが判明したのです。
プラド美術館もこの《モナ・リザ》についての短い解説動画を公開しています。
動画内の解説によると、パリの本物の《モナ・リザ》とマドリードの《モナ・リザ》には、主に3つの相違点があるとのこと。
●スフマート技法の差異
●顔立ちが微妙に異なる
●背景が異なる
複製とはいえ、初期の時代に、そして細部まで正確にオリジナルを写していることから、マドリードの《モナ・リザ》も非常に重要な史料ですね。プラド美術館に行ったらお見逃しなく!