Blog ブログ

「スペイン」を使った言葉いろいろ

2019.02.13

2019年2月12日 EL PAÍS  ”Verne” Web記事より   拷問(Torturas)インフルエンザ(gripes) や小鳥( pajarito)などの言葉は、

 

「ロシア風ポテトサラダを食す」(Comerse una ensaladilla rusa)「フランス風オムレツを作る」(hacer una tortilla francesa)「イギリス風の鍵を使う」(usar una llave inglesa)など国の名前を使ったこれらの言葉。あるいは、「彼の横顔やギリシア人風である」(tener un perfil griego)「知らんふりする」(hacerse el sueco)「挨拶なしで去る」(despedirse a la francesa)・・・国名やスペイン以外の国民を使った面白い表現がスペイン語にはあります。では、その逆も果たしてあるのでしょうか?答えはSí。「スペイン」や「スペイン人」などの言葉は形容詞としてよその国で表現の1部として扱われています。例えばスロバキアでスペインを使った言い回し 「To je pre mňa španielska dedina」は、「un pueblo español」(スペインのある村)スペイン語で「あなたのための何か」という意味ですが、チェコでも同じ使い方をするそうです。また、これに似たようなことがドイツ語でもあり、奇妙な言い回しを表す際に、「das kommt mir spanisch vor」(me suena a español)と表し、意味は「スペイン語のように聞こえる」となるのだそうです。この言い回しは作家ゲーテも作品の中で引用しています。

 

 

1918年に世界中で猛威を振るったインフルエンザ「スペイン風邪」は日本でも有名ですが、この不名誉な表現は世界中に広がり、英語では「Spanish flu」スロベニア語では「španielska chrípka」ポルトガル語では、「gripe espanhola」ドイツ語では「Spanische Grippe」と表されています。第一次世界大戦中の当時、世界で情報が検閲されていた中、スペインから発症したわけでもない病気の名前に「スペイン」と付いてしまったのは、いかなるものでしょう。スペインに関わる不名誉な言葉をもうひとつ。それは「スペイン宿」(el albergue español)と言われ「無秩序」という言葉です。フランス人のセドリック・クラピッシュ映画監督の「スパニッシュ・アパートメント」は、混沌としたアパートが舞台となっており、なぜかスペインが表現として使われているのです。

 

スペインを表現したあまり笑えない表現は他にも、その昔拷問の際にブーツのヒールで罪人を踏みつけたことから、スロベニア語では、「スペインブーツ」などと呼ばれていたそうです。イギリスの代表的なコメディグループモンティ・パイソンは「スペイン式くすぐり器」(cosquilleo español)という名の拷問方法をギャグのネタにしていました。これらより少しましな表現もご紹介しますと、馬乗りの技のひとつ「スペインの将軍」(jinete español)はドイツやスロベニアでも同じ表現で使われています。

 

最後に有名なオリーブオイル。すっかりスペインのものと定着したせいか、「スパニッシュ・オイル」とも他国で呼ばれているようです。また、スロベニアでは「pajarito español」(スペインの小鳥)という野菜にお肉の詰め物がしてある料理があるそうです。