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スペインのスペイン語と中南米のスペイン語の違いについて

2020.01.21

スペインと中南米ではスペイン語に違いがあると聞いたり、実際にネイティブの人と話して違いを感じたりした人は多いのではないでしょうか。スペインのスペイン語を勉強するのがいいのか、中南米のスペイン語を勉強するのがいいのかと悩む人もいるかもしれません。

 

スペインと中南米でスペイン語に違いがあるのは、スペインが新大陸(中南米)を発見して植民地化したときにスペイン語が使われるようになり、スペインとは違った形で発達していったからです。大航海時代のスペイン語が独自に発達したとも言えます。

 

知っておきたいのは、スペインのスペイン語を中南米で話しても通じるし、逆に中南米のスペイン語をスペインで話しても通じるということです。でも、違いがあることを知っていればコミュニケーションはよりスムーズになるでしょう。スペインと中南米だけでなく、中南米でも国によって違いがありますし、スペイン国内でも違いがあります。

 

では、スペインと中南米のスペイン語の違いをいくつか見てみましょう。

 

■ “vos”の使用

スペインでは親しい関係にある2人称単数(君)にはtúが使われますが、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイなどではvosが使われ、動詞の活用も異なります。たとえば、どこの出身かを聞くときは、次のようになります。

スペイン:¿De dónde eres (tú)?

アルゼンチンなど:¿De dónde sos (vos)?

 

■ “vosotros”ではなく“ustedes”

スペインでは親しい関係にある2人称複数(君たち)にはvosotros、目上の人や初対面の人(複数)などにはustedesを使いますが、中南米ではどちらの場合もustedesを使います。スペインのスペイン語に慣れていると、ずっとustedesで話されると敬語で話されているような変な気持ちがするかもしれませんが、中南米では普通です。たとえば、最近見た映画は何かを聞くとしたら次のようになります。

スペイン:友達(複数)に対して ¿Cuál fue la última película que visteis?

スペイン:目上の人(複数)に対して ¿Cuál fue la última película que vieron?

中南米:どちらの場合も ¿Cuál fue la última película que vieron?

 

■ 発音・時制の違い

発音にもいくつか違いがあります。たとえば、スペインではzの音は英語のth(θ)のように発音されます。cもeやiが後ろに来ると同じようにthのように発音されます。一方、中南米では、zもcもsとして発音されます。また、ll(LL)はスペインではyの音として発音されますが、アルゼンチンではshの音として発音されます。

 

時制でも違いがあります。スペインでは現在完了を使う場合に中南米では過去時制を使います。「今日は朝ごはんを食べなかった」と言う場合は次のようになります。

スペイン:Hoy no he desayunado.

中南米:Hoy no desayuné.

 

■ 単語の違い

同じものを表すのに違う単語が使われることがあります。中南米では国によっても違う場合があります。同じ国でも地域によって使われる言葉が違ったり、人によって違ったりすることもあります。いくつか例を挙げてみますが、まだまだたくさんあります。

- <携帯電話> スペイン:móvil      、中南米:celular

- <コンピュータ> スペイン:ordenador、中南米:computador o computadora

- <自動車> スペイン:coche、中南米:carro

- <運転する> スペイン:conducir、中南米:manejar

- <ジャガイモ> スペイン:patata、中南米:papa

- <バス> スペイン:autobús、コロンビア:bus、メキシコ:camión、

プエルトリコ:guau guau、アルゼンチン:colectivo

 

どこのスペイン語を勉強すればいいのか悩んでいる人は、好きな国や行きたい国、仕事をする国のスペイン語を勉強すればいいでしょう。特に好きな国や仕事の予定がないなら、習いやすいスペイン語を勉強するのがおすすめです。もし、勉強したスペイン語と違う国に行くことになっても、違う部分を学べばいいので大丈夫です。