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オリーブの種類いろいろ

2019.01.17

2019年1月14日 EL MUNDO Web記事より

オリーブオイルの世界シェアの多さは、市場で2本に1本はスペイン産である事が証明している。スペインといえばタパスにパエリア、フラメンコそして上質なオリーブオイル。スペインはオリーブオイル輸出大国であり、2017年には年間950.000トンものオリーブオイルが税関を通過していった。スペイン産(Producto de España)であることは、品質と味の証である。オリーブオイルの生産量は1.260.000トンで世界トップ、イタリアの約4倍にもなる。1キロのオリーブオイルをとるために5本の木が必要で、実に年間6.000.000トン以上ものオリーブの実を収穫する国なのである。

 

スペインの農林水産省によると、アストゥリアス地方とカンタブリア地方以外の国内では、至るところにオリーブの木が植わっている。食用オイル用のオリーブの木は全国合わせて2.356.047ヘクター、それに1.800ものオリーブ圧搾場がある。アンダルシア地方はハエンやコルドバに1番多く、約250.000家庭がオリーブを生業としている。次にカスティージャ・ラ・マンチャ地方、エストレマドゥーラ地方、カタルーニャ地方と続く。スペインはオリーブがよく育つ国である。現に200種類以上のオリーブが育ち、ピクアル(picual)コルニカブラ(cornicabra)アルベキーナ(arbequina)オヒブランカ(hojiblanca) ピクード(picudo)など多い。

 

 

 

マドリードにはオリーブやオリーブオイル専門で世界唯一の国際連合ONU主催の国際オリーブカウンシルという研究所なるものがある。そこでは、ありとあらゆる種のオリーブの研究がなされていて、物理化学的測定から官能検査まで試すことが出来る。オリーブオイルにも3つのカテゴリー(tres categorías)がある事をご存知だろうか。ひとつめは、オリーブオイルの王様「AOVE」。酸味は0.8%までとし、100%純正のオリーブジュースであり、オリーブバージンエクストラオイルと呼ばれる。次に、オリーブバージンオイル。オリーブバージンエクストラオイルとオリーブバージンオイルは似ている様だが、官能検査では2つは必ずしも同一ではないとはっきり分かる。主に酸度の違いが大きいからだ。最後に、ランパンテオイル。機械絞りの精製オイルで、酸度0.8~2%。他の精製オイルと混ぜて使われることも多い。酸味の高低は、オリーブの実の熟成度合いによる。熟成度が高いほど酸度が増す。つまり、熟して木から落ちた実から絞ったオイルと、少し青みがかっているが丁度良い頃合いに収穫された実から絞ったオイルでは、酸度も風味も値段も違うという訳である。オリーブオイルのボトルに必ずカテゴリーが記入されているので、それを見ながら選別し購入すると良い。そして精製されたオイルは何種類かのオイルブレンドがされていると知っておくと良い。

 

国際オリーブカウンシルは、オリーブオイル無しの食卓はあってはならないとさえ断言している。ミシュラン2つ星のスペイン人シェフ、パコ・ロンセーロは、オリーブオイルを使って揚げ物をする時は、やや少量で酸味少なめのエクストラバージンオイルか、あっさり目の精製オリーブオイルがオススメだそうだ。そして「オリーブオイルをワインに例えて考えれば良い。ワインはブドウの品種で味が随分変わる、オリーブも同じ」「アルベキーナは、サラダやデザート、ピクアルは、ガスパチョなどのアンダルシア風冷製スープや野菜ポタージュに、オヒブランカは、魚介類にぴったりである。」とも。

 

オリーブの種類も多々あれど、特徴もそれぞれ違う。ピクアルは、世界でスペインで1番よく消費されている種類のオリーブでで、ハエンやコルドバ、グラナダなどで主に栽培されている。深い味わいにピリッとした青みとフレッシュさ。生ものとの相性も抜群。アルベキーナは、カタルーニャやアラゴンなどで主に栽培される。フルーティな香りと甘み、ほのかな苦味と刺激を舌に受ける。コルニカブラは、スペインで2番目に消費されている。主にトレド、シウダーレアルやマドリード、カセレスやバダホスでも栽培されている。苦味はないが味が濃い。オヒブランカは、主にコルドバやセビージャ、マラガやグラナダで栽培されている。ピリッとほろ苦いのに甘い。香りが摘みたての若葉のようである。

 

 

抗酸化に効くオリーブオイル

 

以前こちらでも書きましたが、オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が美容と健康を保ちます。地中海沿岸の国々を、オリーブ無しでは語れません。スペインでもオリーブオイル抜きでは料理は作れませんし、ギリシア、イタリア、ポルトガル、シプレ島にも同じ事が言えるでしょう。