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第10回国際セルバンテス議会

2018.09.08

2018年9月7日 ABC Web記事より

世界22の国々から合計120人のセルバンテス研究者たちが参加した第10回国際セルバンテス議会は、2018年の9月の第1週目、マドリード・コンプルテンセ大学にて開催された。この時期大学内は「ラ・マンチャ」一色に染まり、心なしか生徒の数よりも先生の数の方が上回る。UCM(マドリード・コンプルテンセ大学の略)の文学部のある建物は、インド、イタリア、セルビアなど全22ヶ国のセルバンテス研究者たちの論文で溢れかえるのだ。9月とはいえ、まだ真夏の太陽が照りつける熱い最中に、また違う意味で熱く燃える研究者たちが集結するスペインの首都マドリードである。

 

セルバンテス作品の猛烈なファンで研究者である彼らのこのどんちゃん騒ぎのお祭りは3年ごとに催されるが、今回はじめてる都会で開かれたのであった。セルバンテスを知り尽くし、どんな角度から質問されても全て答えが出るようなマニアの集結であるまさにこれは、世界セルバンテスサミットとも言えるだろう。「実際シェークスピアの研究者よりもセルバンテスのその数の方が多いのが事実です」と言及するのは UCMのロマンス文学部 Manuel Lucía Megías 教授である。セルバンテスの代表作である「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」を始め「ペルシーレスとシヒスムンダの苦難」「模範小説集」などセルバンテスは世界でも不動の文学王だ。

 

インド人のセルバンテス研究者 Vibha Maurya 氏は、ドン・キホーテの英訳小説を自宅で偶然見つけたのがきっかけでその熱烈な読者になる。大学ではスペイン文学を専攻しセルバンテスの研究だけに情熱を注ぐようになったそうだ。現在はデリー大学のスペイン文学の教授も務め、インドでのセルバンテス作品の拡散に貢献している。

 

セルビアでも、セルバンテスの作品は多くの人に愛されている。ベルグラード大学の Jasna Stojanovic 教授は言う。「我々はセルバンテスの作品に感銘し、自国の紛争や絶え間ない対立の経験などから、不屈の精神などを結びつけて “Quijotismo” キホーテイズムならぬキホーテ主義なども存在するほどなのです」。

 

また、ブラジルのブエノス・アイレス大学のスペイン文学部 Juan Diego Vila 教授は言う。「革命家シモン・ボリバル曰く、”イエス・キリスト、ドン・キホーテと私、三人は歴史において最大の愚か者であろう” この表現は、それほど大きなことをセルバンテスは成し遂げたという意味なのだ」と。実際ブラジルの中等教育からセルバンテスの作品は必須であり、国内に知らない者はいないほどである。それほどのセルバンテス愛がこの国には存在することになる。

 

そして、同じラテンアメリカの国、チリにもセルバンテス愛はある。チリ大学の Jessica Castro 教授によると、Cervantistas(セルバンテス研究者)は多くはないものの、一般的に授業にも作品は多く採用され、ドン・キホーテの名は著名である。

 

そしてアメリカでもセルバンテス文学は各教育機関で教材として使用されており、彼の文学による世界征服は、留まるところを知らないのである。