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セゴビアの水道橋の健康診断の結果は「保存状態は良好」

2020.08.12

 

スペインのセゴビアの水道橋(Acueducto)といえば、歴史の教科書などで写真を見たことがある人も多いと思います。

生活用水の供給のためにローマ時代に作られたこの水道橋の高さは、最高部で28.5メートル、全長は約16キロ。モルタル、セメントなどの接合剤は全く使われていません。重機等のない時代にこれだけのものを作ったローマ人の技術の高さが感じられます。

 

約2000年前に作られたこの水道橋の「健康診断」が専門家のグループによって最近行われました。地質学者のグループがX線を用いて深部まで調べ、構成している石の保存状態や出どころについてのデータを集めたのです。

 

その結果、約2000年という経過年数からすると「状態は極めて良好」だそうです。しかし、耐久性に関しては慎重な見解が示されました。構成要素の石の状態は「許容範囲内」で、構造全体は「非常に良い状態」にあるとのこと。水道橋に使われている花崗岩は非常に硬いために採掘や加工がとても難しいのですが、耐久性にはすぐれているのです。以前に行われた他の調査では石の損傷の兆候が見られましたが、今回の調査でこれらは1センチ未満の表面的なものとされました。

 

同時に歴史学者のチームによる調査も行われました。レーザースキャナーで水道橋の三次元の位置情報が測定され、精巧なデジタル版の3Dレプリカが作られる予定です。レプリカは今後のさらなる調査や観光や文化的な目的で使われます。デジタル版のレプリカなら、コロナウイルスのためにセゴビアに行けなくても、自分の家からインターネットで水道橋を詳細に鑑賞することができますね。

 

いつか実物を見られる日を待ちながら、レプリカで予習しておくのもいいですね。

実際に全体を詳しく見るのは難しいと思うので、レプリカで細かい装飾などもじっくり見られるのは楽しそうです!