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ロルカに捧げたフラメンコの新劇「Lorca y la pasión. Un mar de sueños」

2019.08.20

フェデリコ・ガルシア・ロルカはスペイン内戦時にグラナダで叛乱軍に捕らわれ、1936年8月18日に亡くなりました。みずみずしい感性を備えた天才詩人にして、(特にヒターノたちの)フラメンコの偉大なる擁護者でもあったロルカ。そんな彼の魂のためにカンテを捧げるフラメンコ界のアーティストたちが大勢います。

 

 

彼の故郷グラナダでは、2019年7月18日から8月31日まで野外劇場「ヘネラリフェの庭のロルカとグラナダ Lorca y Granada en los jardines del Generalife」がアルハンブラ宮殿の庭園ヘネラリフェにて開催されています。このロルカのための劇場は2002年に『血の婚礼』を上演したことから始まり、以降、毎年夏に彼の詩作・劇作品(『カンテ・ホンドの詩』『ニューヨークの詩人』『イェルマ』など)を上演。去年は「フラメンコロルキーアノ Flamencolorquìano」と題して、一流のフラメンコアーティストたちによるパフォーマンスを披露。これまでの観客数はのべ60万人以上を動員しています。

 

そして今年は、このヘネラリフェの野外劇場のため、ロルカに捧げたフラメンコ舞台の新劇が書き下ろされました。題して「Lorca y la pasión. Un mar de sueños ロルカと情熱。夢の海」。舞台の総監督はマリナ・エレディア。アルハンブラ近くの丘陵地区アルバイシン生まれのカンテオーラで、実父もカンタオール。幼い頃からカンテを歌って育った筋金入りのフラメンコ・アーティストです。

 

 

マリナ・エレディアはこの特別劇が始まった18年前からずっと、このイベントのための作品に従事したいと願っていたそうです。最初の脚本からなんども修正と変更を重ね、完成には10ヶ月を要したとのこと。この書き下ろし作品ですが一部が動画で公開されています。白い獣の被り物をした群舞に目がいきますね。グラナダを訪れたらフラメンコショーを観る人もとても多いですが、その中でも極めて贅沢な舞台です。