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8月に大晦日を祝うスペインの村、Bérchules

2021.12.31

スペインの大晦日(Nochevieja)といえば、12粒のブドウを用意して、幸運を呼ぶと言われている赤い下着を身につけ、マドリードのプエルタ・デル・ソルの時計台からの生中継を聞きながら、12の鐘の音に合わせてブドウを食べ、シャンパンで乾杯する、というのがお決まりの祝い方です。

 

祝い方に多少の違いはあっても大晦日は大晦日に祝いますよね。ですが、スペインには大晦日を12月31日ではなく8月に祝う街があるのです。それが、アンダルシア州のグラナダ県にあるムニシピオのベルチュレス(Bérchules)です。

 

なぜ8月に大晦日を祝うようになったのでしょうか?それは、1994年の大晦日、ベルチュレスでは天候不良により長時間停電し、テレビのプエルタ・デル・ソルからの鐘の音の生中継を見られず、大晦日を祝うことができませんでした。村の人は怒ってデモを起こし、その結果、天候が安定して問題が起きにくい8月の1週目の週末に大晦日を祝うことに決まりました。

 

それ以来、毎年、大晦日は8月に祝われ、12月31日には祝われません。8月のお祝いは、レジェス・マゴスのパレードや音楽の演奏、花火、ベレン(キリストの誕生を再現した飾り物)のコンクールなど、本格的に行われます。そしてもちろん、夜の12時には鐘の音に合わせて12粒のブドウを食べてお祝いするのです。

 

ベルチュレスは住民700人ほどの村ですが、真夏の大晦日(スペインではクリスマスともいえますが)のお祝いが珍しいので、この時期には1万人ほどの観光客が訪れるそうです。

 

もしこの時期にグラナダに行く機会があったら、真夏の大晦日のお祝いを体験するのも楽しそうです。