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グラナダの伝統邸宅「カルメン」

2020.01.22

イスラム帝国支配時代の影響を色濃く残すグラナダ。最大の観光地アルハンブラ宮殿は大人気ですが、周辺の街巡りもまた楽しいものです。このグラナダには「カルメン carmen」と呼ばれる特有の邸宅がたくさん残っています。中庭のある美しい白い邸宅で、建物に「Carmen de…」(〜邸)と看板がついています。カルメン、というとスペインの典型的な女性の名前を意識してしまいそうですね。女性の名前カルメンやカルメラは、ヘブライ語の「神々の庭、果樹園 karmel」から由来しています(お菓子のキャラメルと同じ語源)。しかし、グラナダに残る邸宅カルメンは、アラビア語で「ぶどう畑」を意味する karm から来ているという説が有力です。

 

 

 

独特の異国情緒な雰囲気を醸し出しているカルメンは、グラナダを訪れたらぜひ見に行ってください。アルハンブラ宮殿のあるレアレホ=サン・マティアス地区や、丘から宮殿を望めるアルバイシン地区に多く残されています。「ぶどう畑」という名であるとはいえ、11世紀、イスラム帝国時代に建てられた当時の頃から、休息するための憩いの場所として使われ、実用的な農場ではありませんでした。もともと素朴な休憩地であるのみでしたが、レコンキスタ後のキリスト教徒たちによって発見され、17世紀以降はアルバイシン地区にとって欠かせない固有の邸宅群として保存が進み今に至ります。

 

敷居面積に対して邸宅の建物は小さく、遠景を望める広々とした庭や果樹園が特徴です。そして一部のカルメンはレストランに改装されています。みずみずしい美しい中庭や、夕陽に輝く宮殿を真近に拝みながら食事を楽しむという非常に贅沢な体験ができてしまいます!

 

昼間にアルハンブラ宮殿を訪れて、ディナーはカルメンで食べて、夜は同じアルバイシン地区のフラメンコショーを観る、というのもグラナダ旅行のオススメの回り方です。