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いつかは歩いてみたい!サンティアゴ巡礼の道(Camino de Santiago)

2020.07.14

サンティアゴ巡礼の道(Camino de Santiago)を一度は歩いてみたいと考えている人はたくさんいるのではないでしょうか。すでに歩いたという人もたくさんいると思います。

 

サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指して歩く巡礼の道を総称して、サンティアゴ巡礼の道(Camino de Santiago)といいます。サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂にはイエスの使徒の一人であった聖ヤコブ(サンティアゴ)の遺骸が祀られていると言われているため、エルサレムやローマと並んで昔から訪れる人の多い巡礼地です。

 

サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指すルートはたくさんあります。代表的なルートには、フランス人の道、北の道、イギリス人の道、ポルトガル人の道、銀の道、プリミティボの道などがありますが、最も巡礼者が多く、アルベルゲ(albergue:巡礼者用の宿)などのサービスが多いのはフランス人の道です。フランス人の道は、スペインとフランスの国境の近くの街を出発してピレネー山脈を超え、ブルゴス、レオンを経由してサンティアゴ・デ・コンポステーラに至る道で、全体で約780キロの行程です。

 

毎年、多くの人が様々なルートで目的地を目指しますが、ほとんどの人が徒歩で、自転車の人は1割以下だそうです。巡礼の道を歩く目的は人によってさまざま。宗教的な目的の人もいれば、自然との触れ合いや他の国の人と知り合うため、観光のため、人生について考えるためという人もいます。

 

巡礼の道は貝殻のついた標識や黄色の矢印でわかりやすく表示されています。巡礼の道を歩く人は巡礼者(peregrinos)と呼ばれ、巡礼者手帳(credencial del peregrino)を持ち、そこに巡礼で通過した場所のスタンプを押してもらいます。スタンプはアルベルゲや教会、バル、レストランなどで押してもらえます。徒歩で100キロ、自転車なら200キロで、サンティアゴ・デ・コンポステーラの事務所で巡礼証明書がもらえます。

 

アルベルゲには公営のものと私営のものがあり、公営のものは教会や村などが運営しています。巡礼者手帳を持っていれば誰でも泊まることができますが、原則として一泊のみの利用となります。宿泊費は公営のものの方が安く、他にもホテルやパラドールなどの選択肢もあります。アルベルゲは事前に予約ができないところがほとんどなので、早めにその日に泊まるアルベルゲに到着するようにするなど、宿泊場所確保のために工夫している巡礼者が多いようです。特に宿泊施設が少ない区間では注意が必要です。

 

スペインでは7月1日から国境が再開され、EU加盟国などからの渡航が可能になりました。これを受けて、安全に巡礼ができることをアピールしたい自治体やアルベルゲは、新型コロナウイルス感染予防のための対策を取って、巡礼者が戻ってくるのを心待ちにしています。具体的には、宿泊施設に宿泊する巡礼者の数の制限(50%)、宿泊施設内でのマスク着用義務化、ソーシャルディスタンスの確保、キッチンや食堂などの共用スペースの閉鎖、寝袋の使用などの対策が取られています。8月からはインターネットからリアルタイムでアルベルゲの空き情報がわかるようになる予定で、宿泊場所の確保がしやすくなりそうです。

 

巡礼の道を歩いてみたいと思っている人は、安心して歩ける日が来るまで、じっくりとルートや日程などを考えてみませんか。