スペインの人は環境問題についてどう考えている?
2022.06.086月5日は世界環境デー(Día Mundial del Medio Ambiente)です。
地球温暖化や気候変動などの環境問題についてどう対応していくかが各国の重要な課題となっています。
この日にちなんで、今年スペインで行われた環境問題に関する考え方についての調査の結果を見てみましょう。
「地球温暖化は人類にとって深刻な脅威か?」
85%が「そう思う」と答えました。2020年の88%より3ポイント減少。
年代別に見ると、55歳から64歳、65歳の年代がそれぞれ88%、90%と高く、18歳から24歳では78%と低めです。
「気候変動を止めるには遅すぎるか?」
「そうは思わない」が61%。「遅すぎる」と答えた人は35%。2020年は「そうは思わない」が66%で、今回は5ポイント減少。
18歳から24歳、25歳から34歳で「遅すぎる」と答えたのが44%。65歳以上は24%と若年層の方が悲観的に見えます。
「個人の行動で環境を良くすることができるか?」
「できる」が81%。2年前からは5ポイント減少。
18歳から24歳で「できる」と答えたのは67%、55歳から64歳、65歳の年代がそれぞれ88%、87%と、年代が高い方が個人の行動によって改善できると考えている人が多いようです。
「気候変動について、本当に努力すべきなのは個人ではなく企業や政府ではないか?」
「企業や政府が努力すべき」が71%。
「企業や政府が努力すべき」が18歳から24歳で83%と最も高く、45歳から54歳で66%と最も低くなっています。「個人の行動で良くすることができるか?」の問いで「できる」が少なかった若年層ですが、「企業や政府が努力すべき」と考えているようです。
世界各国の気候変動についての考え方は?
各国についての別の調査によると、世界の人の86%が「温暖化は人類にとって深刻な脅威である」と考えています。地域で見ると、アフリカが87%、アメリカが89%、国で見ると、ベトナムが96%、インドネシアが96%、パラグアイが94%、ペルーが94%と数字が大きくなっています。
「気候変動にブレーキをかけることができるか?」については2020年の54%から52%に低下しました。大陸で見ると、アメリカとヨーロッパは比較的楽観的で57%と55%が「ブレーキをかけられる」と答えている一方、アジア太平洋地域と中東では49%と48%となっており、地域で開きがあります。国で見ると、ブラジル70%、メキシコ67%、デンマークが66%で楽観的なのに対し、中国38%、パキスタン34%、インド31%でかなり悲観的です。
調査対象の約半分の人が「環境を守るために政府が必要な取り組みを行っていない」と答えています。ヨーロッパとアメリカの人が政府の取り組みにより批判的で、国で見ると、クロアチア83%、ギリシャ74%、セルビア72%、パラグアイ72%となっています。一方、ベトナム4%、インドネシア8%、フィリピン12%と低くなっています。
環境問題は世界的な脅威となっていますが、国や地域によって深刻さや考え方には違いが見られます。
しかし、将来の世代によりよい環境を残すための方法を考えていく必要があるのは間違いありません。