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スペインのパン

2019.01.24

スペインの人達にとってパンは主食で、日本人やアジア圏の人達にとってのお米と同じ扱いになります。その昔はベーカリーが必ず町中にあり、毎日オブラドール(obrador)と呼ばれる店へ買いに行っていました。ところが、70年代頃からのスーパーマーケットの普及により、パンは工場で大量製造され、ベーカリーから手作りパンは消え、どんな店にも量販店向けのパンばかりが並ぶ時期が長く続きます。ところが、そうして長い間忘れられていた本物のパンの味を取り戻そうと90年代後半頃から、こだわりの美味しいパン屋さんが各地で復活し始め、近年に至っては、昔ながらのおばあちゃんが毎日作っていた様な懐かしいパンから、芸術的とも言えるレベルの高いパンまでバラエティー豊かに取り扱うパン屋さんが急速に増えてきました。材料を吟味して、作る過程にこだわって、それはそれは美味しいパンを提供するようになって来たのです。

 

スペインのポピュラーなパンは、バラ(barra)、バゲット(baguette)、チャパタ(chapata)、ビエナ(viena)、ボジョ(bollo)などがありますが、各地で呼び名やレシピも変わることもあって、現在は国内で約300種類ものパンが存在するそうです。また、家庭でのパン作りも流行り、パンに関する書籍の出版もたくさん見られるようになりました。以前のスペインでは、日本のように具材が詰まった調理パンの種類は多くありませんでしたが、最近では様々なパンに挑戦するベーカリーが増え、店先に並ぶパンのバリエーションも多くなりました。また、いわゆる菓子パンも以前は量販向けのものが主流でしたが、各ベーカリーのオリジナルなパンを並べるようになりました。

 

 

Traveler 2008年11月14日 Web記事より

 

パンは、朝から晩まで食事のお供として、そして地中海ダイエットをする上でも欠かせない食材です。朝のトースト(tostada)から始まり、お昼のボカディージョ(bocadillo)やサンドイッチ(Sandwich)そして夕食と、一日中スペイン人の胃袋に収まる日常の主食です。今回はスペインで最も食される5種類のパンをご紹介致します。

 

1. バラ・デ・クアルト またはピストル(Barra de cuarto o pistola)

 

1/4キロだからクアルト(cuarto)と呼ばれる、長細い外はパリパリ中はスポンジの口当たりのスペインで一番馴染み深いパン。マドリードではピストル(pistola)と呼ばれている。

 

2. バゲット(Baguette)

 

お馴染みフランスパンのこと。バゲーと発音する。ボカディージョ向き。

 

3. オガーサ(Hogaza)

 

どっしりとした丸い、身の詰まったパンなので一切れでも十分食べ応えがあるカスティージャ地方のパン。

 

4. チャパ タ(chapata)

 

イタリア由来のパン。外は硬めだが、中は蜂の巣状のスポンジで弾力がありしっとりした口当たり。ボカディージョにしても美味しい。

 

5. パン・インテグラル(Pan integral)

 

全粒粉のパン。シリアルパンも含まれる。繊維が多く含まれるので胃にずっしりとくる。ゴマや麻の実、ひまわりの種、かぼちゃの種、ドライトマト、ドライオニオン、くるみなどのトッピングが特にスペイン人好み。