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スペインのパン、品質表示基準改正でより安全で美味しく!

2019.07.03

2019年7月からスペインのパンの品質表示に関する基準が改正されました。この改正で、消費者はきちんと品質が分類・表示されたパンを購入できるようになります。

 

 

改正の内容としては、たとえば、「全粒粉パン(pan integral)」と表示するための要件が厳しくなりました。今までは、全粒粉(皮や胚芽を含めて丸ごと粉にしたもの)を少しでも使用していれば「全粒粉パン」と表示できましたが、7月からは100%全粒粉を使用しているパンだけが「全粒粉パン」と表示できます。複数の種類の全粒粉を使用したパンの場合は、それぞれの粉のパーセンテージの表示が必要です。また、他の穀類を使用したパンに関しても要件が厳しくなっています。たとえば「ライ麦パン」と表示するには、ライ麦粉だけを使用して作られたパンであることが必要になります。

 

 

他にも、「天然酵母パン(pan de masa madre)」が定義されたことも注目されます。今まではきちんとした定義がなく、天然酵母種を少しでも使用していれば「天然酵母パン」と表示できましたが、新しい基準では工業的な膨張剤(イーストなど)の使用量や発酵の時間などの製法について規定されています。同様に、手作りのパンの製法についても規定しており、「手作り」と表示するにはこの要件を満たすことが必要になります。

 

 

さらに通常のパンも新たに定義されました。小麦粉以外の粉、たとえば、全粒粉や他の穀類の粉を使用したものも通常のパンに含まれるようになりました。最近の消費者に人気のあるふすま入りなどの健康的なパンもここに含まれます。

 

 

このように通常のパンの定義が広くなったことにより、付加価値税の軽減税率が適用される日常的に家庭で消費されるとみなされるパンが増えました。全粒粉パン、小麦以外の穀類のパン、ふすま入りのパンなどがそうです。これまでの10%から4%の税率になり、価格の面でも消費者にはうれしい改正と言えます。また、通常のパンに使用できる塩の量を制限する内容も盛り込まれ、健康面にも配慮がなされているようです。

 

 

日本のパンに関する表示を調べてみると、食パン、菓子パン、その他のパンという分類しかないようでした。さすがスペインはパンを長く主食にしている国なので、たくさんの種類のパンがあり、表示の分類も多くなるわけです。基準が厳しくなったことで、成分のはっきりした安全で美味しいパンが買えるようになったのは消費者にとって嬉しいことだと思います。スペインに行くことがあれば、パンの種類や表示をチェックして美味しいパンを見つけてください!