“Hacerse el sueco”「スウェーデン人になる??」
2020.12.28動詞hacerを使った面白い表現をもう一つ紹介します。
“hacerse el sueco”
文字通りの意味は「スウェーデン人になる」ですが、
本当の意味は「わかっているのにわからないふりをする、気づいているのにぼんやりして気づかないふりをする」です。
スウェーデンの人が聞いたら気を悪くしそうな表現ですが、
その起源にはいくつか説があります。
一つ目は、昔、スウェーデンの船乗りがスペインに来たとき、
当然スペイン語を知らないので、話しかけられても何を言われているかわからなかったわけです。
話しかけられても理解できないその様子から、この表現ができたという説です。
本当にわからなかったのに、わからないふりをしているように見えたのでしょうか…
二つ目は、ラテン語”soccus”から来たという説です。
ラテン語”soccus”は、古代ローマの道化師たちが履いていた靴を意味するそうです。
そして、この”soccus”という言葉から”zueco”や”zoquete”(木でできた靴)というスペイン語ができました。
“zoquete”には「理解が遅い人」という意味があります。
この”zueco”と”sueco”が間違って使われるようになったのがこの表現だとされています。
スウェーデンの人だけでなく、誰にでも知らないふりをしたくなる状況はありますよね。
そんなとき、この表現が使えます。
<例文>
Si mi madre me dice que tengo que estudiar el domingo, me hago el sueco.
「母が私に日曜日に勉強しないといけないと言ったら、聞こえないふりをする」
Cuando te dije que no debías hacerlo, te hiciste el sueco.
「それをしてはいけないと私が君に言ったとき、君は聞こえないふりをした」