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スペイン人が服を買うときに気にすること

2019.03.30

服を買うとき、皆さんはどんなことを基準にしていますか?

デザインや値段、素材などを考えて買う人が多いと思います。

その服がどこで、どんな人達によって、どんな労働環境で作られたかを考えることはありますか?スペインでは、服や靴を買うときに、約40%の人がその製品が社会や環境に与える影響について考えるそうです。

 

そんな消費者の意識についての調査がFashion Revolutionという団体によって行われました。この調査では、ヨーロッパ5カ国(ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン)の5,000人を対象に服や靴、アクセサリーを買う際にどんなことを意識しているかについて質問が行われました。

 

その結果によると、全体で77%、スペインでは82%の人が、アパレル企業が製造に関わる労働者の権利を守るよう法律で規定すべきと答えています。

 

服を買うかどうかを決める条件としては、39%の人が労働に見合った適正な報酬を受け取っている労働者によって作られていることを挙げ、スペインではこの数字は43%に上ります。続いて、環境保護(37%)、安全な労働環境(31%)、動物に危害を与えずに作られていること(30%)、ローカルでの製造(10%)、リサイクル材料の使用(6%)などが挙げられました。

 

他にも以下のような内容についての質問が行われました。結果はカッコ内に示します。(必要、賛成と答えた人の割合)

 

・製造に関わる労働者の給料や労働環境についての詳細な情報の開示(全体66%、スペイン74%)

・工場についての情報の開示(全体80%、スペイン86%)

・企業による性差別、環境保護、貧困の改善の取り組み

(性差別:全体77%、スペイン87%、環境保護:全体88%、スペイン90%、貧困:全体84%、スペイン91%)

・女性の生活の向上(スペイン76%、スペイン女性83%)

・服、靴、服飾品の製造が持続可能な形で行われるよう政府が義務付ける(全体68%、スペイン75%)

・アパレル企業が適正な報酬を支払っているかどうかを明らかにする(全体72%、スペイン76%)

・各製造プロセスで環境保護対策をとるように法律で規定する(全体75%、スペイン81%)

 

調査の結果から、製造に関わる労働者の報酬や労働環境が適正であること、環境保護対策を取ること、性差別や貧困、女性の生活の向上への取り組み、情報の開示などをヨーロッパの人たちがアパレル産業に求めていることがわかります。スペインの人たちの回答の数字は、ヨーロッパ全体の数字より大きいことが多く、より関心が高いことがうかがえます。

 

Fashion Revolutionによると、アパレル関連産業で働く人の数は世界で7,500万人に上り、そのうちの約80%が女性です。さらに、多くの労働者が搾取や暴言、身体的な虐待を受け、劣悪な労働環境や低賃金のもとで働いているそうです。

 

何かを買うとき、つい見た目や値段だけを考えがちですが、その製品がどこで、どんな風に作られたのかという別の視点を持つことも大切だと思います。そうすることで、労働者の労働環境やその国や地域の状態が改善されていくはずです。みんなが幸せになれるような製品を選びたいですね。

(eldiario.es記事より)