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寒くなったら食べたくなるスペインの煮込み料理

2018.12.29

日本で冬の料理で定番は何と言っても鍋料理ですが、スペインに鍋料理はあるのでしょうか?答えは Sí.  煮込み料理がまさに日本のそれに当たると言えるでしょう。日本の様にお鍋を箸でつつくスタイルではありませんが、大きなお鍋にお肉、腸詰類、豆、野菜、ハーブなどを一緒に入れて水を加え、圧力鍋あるいは土鍋でコトコト煮る、素朴で栄養たっぷりの家庭料理は身も心も温めてくれます。

 

アストゥリアス地方の白い平べったいインゲン豆を魚介類や肉と煮込むファバーダ(fabada)、バスク地方の赤インゲンで煮込むアルビア・ア・ラ・バスカ(alubia a la Vasca)、マドリード風コシード(cocido madrileño)、バレンシア地方やアンダルシア地方のプチェーロ(puchero)など他にも沢山種類があります。これら煮込み料理の特徴として、北部や中部はこってり濃厚スープ、西地中海側や南部はあっさりスープに仕上げるようです。このスープの違いは、気候とも密接な関係があって、寒い地方は体温を保持するためにもこってりした料理が必要とされるのです。

 

そして、スペインの煮込み料理に欠かせないのが豆類です。市場に行くと豆専門店が必ずあり量り売りをしてくれます。スーパーでは、豆のコーナーにパッケージされた数種類の豆がキロ単位で販売されています。ガルバンソ、レンズ豆、白インゲン豆、 黒インゲン豆、赤インゲン豆・・・いかにスペイン人が豆好きか、その料理のレシピの豊富さからもわかります。また、スペイン人の煮込み料理の食べ方はユニークで、まずスープと豆を味わいます。その後さらにスープにお米や細いパスタを入れて食べ、具材の肉は取り出して別の皿に盛って食べるか、次の日のコロッケの具につぶしたりします。地方によって違いますが、少なくともアンダルシア地方ではそのようにして食べる習慣があるようです。