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“Buenos días.”スペイン語ではなぜあいさつは複数形?

2020.02.24

スペイン語でよく使う表現の1つにあいさつがあります。“Buenos días.”、“Buenas tardes.”、“Buenas noches.”は毎日使いますよね。よく見るとどれも複数形です。なぜ複数形なのでしょうか?

 

他の言語のあいさつを見てみると、たとえば、英語は“Good morning.”、イタリア語は“Buon giorno.”、ブラジル・ポルトガル語は“Bom dia”、フランス語は“Bonjour.”と単数形、ドイツ語も“Guten morgen.”で単数形。スペイン語以外はみな単数形になっています。

 

スペイン語のあいさつが複数形になっている理由には諸説あって、どれが正しいかは証明されていません。最も有力とされているのは、“Buenos días os dé Dios.”「神があなた達によき日々を与えますように」と言っていたのが、後に省略されて“Buenos días.”になったのではないかという説です。単数形の“buen día”でないのは、その日一日だけではなく、毎日が平穏でよき日でありますように、という願いが込められていたからのようです。“Buenas tardes.”、“Buenas noches.”も同様の理由から複数形になったと考えられています。

 

もう1つの説は、中世のキリスト教の多くの地域で用いられていた時間帯の呼び方がもとになっているのではないか、というものです。1日を7つの時間帯に分けて、それぞれに名前がつけられていました。たとえば、“maitines”(夜明け前)、“laudes”(夜明け)など、すべて複数形になっていて、これに習ってあいさつの言葉も複数形になったのではないかと言われています。

 

スペイン語であいさつするときは複数形を使うのが一般的ですが、単数形を使ったとしても正しい、とRAE(スペイン王立言語アカデミー)も認めています。最近では英語の影響を受けて、単数形の“Buen día”もよく聞かれるようになってきているようです。

 

ちなみに日本語のあいさつの「おはよう」は「朝早くからご苦労さまです」、「こんにちは」は「今日はご機嫌いかがですか?」などがもともとの形で、現在の形は後半部分が省略されたものだそうです。

 

個人的には、単数形のあいさつよりスペイン語の複数形のあいさつの方がいい日がたくさん続きそうで好きですが、みなさんはどうですか?