「ある、いる、持っている」haber, estar, tener どう使い分ける?
2020.11.24「~がある」「~がいる」「持っている」と言いたいとき、haberやtenerを使うか、estarを使うのか迷うことはありませんか?
どれも同じように使えそうですが、実はどれを使うかで文脈が変わってきます。
文脈によって使える場合と使えない場合があるとも言えます。
まず次の3つの文を比較してみましょう。
1) En su casa hay un sofá azul.
彼の家に青いソファがある
2) En su casa está el sofá azul.
彼の家にその青いソファがある
3) Juan tiene un sofá azul en su casa.
フアンは家に青いソファを持っている
1)の文ではhay(haber)が使われていて、不特定のものが「存在していること(存在・有無)」に焦点が置かれています。
2)の文ではestá(estar)が使われていて、話題となっているものが「どこにあるか(所在)」に焦点が置かれています。
“el sofá”となっているので、話している人たちはすでにこのソファのことを知っていることがわかります。
3)の文ではtiene(tener)が使われていて、「誰が持っているか(所有)」に焦点が置かれています。
まとめると、次のようになります。
■haber
無人称で不特定のものや人の「存在」を表し、常に三人称単数形で使われます。(直説法現在形はhay)
後ろにくる名詞が単数でも複数でも活用形は変化しません。
この場合のhaberは定冠詞(el, la, los, las)とは一緒に使われません。
不定冠詞(un, una, unos, unas)や無冠詞の複数形の名詞などと使われます。
何かが「ある・いる」と言いたいときはhaberを使いましょう。
Hay un coche. 車が一台ある
Hay tres coches. 車が三台ある
Hay muchos coches. 車がたくさんある
Hay coches en la calle. 通りには車がある
Había mucha gente. たくさん人がいた
Hay un libro sobre la mesa. 机の上に本が一冊ある
(*Hay el libro sobre la mesa.とは言わない→定冠詞がつく特定のものの場合はestarを使う→El libro está sobre la mesa.)
■estar
話している人達の間で既知のものや人についての「所在」を表します。
既知のものや人について使うので、普通名詞には定冠詞がつきます。
主語によってestarは活用します。
特定のものや人が「~にある・いる」といいたいときはestarで言えます。
El restaurante está cerca de mi casa. そのレストランは私の家の近くにある
La chica está en la cocina. その女の子は台所にいる
Estoy en la oficina. 私はオフィスにいる
■tener
主語となる人やものが「所有」していることを表します。
主語によって活用します。
誰か(何か)が「持っている」と言いたいときはtenerが使えます。
Ella tiene una casa muy grande. 彼女は大きな家を持っている
Tengo muchas cosas que hacer. 私はたくさんやることがある(持っている)
La casa tiene muchas habitaciones. (= Hay muchas habitaciones en la casa.)
その家はたくさんの部屋を持っている(=その家にはたくさん部屋がある)
* tenerを使った文をhaberでも言える場合もあります
haber / estar / tenerはどれも普段良く使います。
たとえば、相手の人が知らないレストランについて話すとしたら次のように言えます。
“Hay un restaurante bueno. (El restaurante)Está cerca de la estación y tiene muy buena reputación…”
「いいレストランがあるんだ。駅の近くにあって、とても評判がよくて…」
いろいろ使って慣れていきましょう!