スペイン語の不定詞、現在分詞、過去分詞の用法
2022.10.12不定詞、現在分詞、過去分詞…なんて文法用語を聞くと、難しい!面倒くさい!と思ってしまう人も多いかもしれませんが、知っておくと便利なこともたくさんあります。
用語自身は忘れてしまってもいいですが、用法は身につけておきましょう。
今回は動詞の3つの非人称の形を見ていきましょう。
非人称は人称によって変化しない形のことをいいます。
不定詞は原形だから辞書に載っている形、現在分詞は現在進行形、過去分詞は完了形で使うもの、と思っている人、それだけではありませんよ。
1. 不定詞(infinitivo)
動詞の基本となる形で原形とも呼ばれます。
動詞の不定詞には-ar, -er, -irの3つの語尾があり、それに応じて活用の仕方が変わります。
不定詞には、hablar, comer, vivirのような不定詞単純形とhaber hablado, haber comidoのような不定詞複合形があります。
不定詞は名詞(男性単数形)として扱われるので、冠詞や形容詞をつけることができ、主語や目的語、補語などとして使われます。
・Vivir cada día intensamente es una buena opción. (主語)
その日その日を賢明に生きることはよい選択だ
・El saber es amar. (主語)
知ることは愛することだ
・Me encanta leer. (主語)
私は読むことが大好きだ
・Quiero ver a Ana. (直接目的語)
アナに会いたい
・Lo importante es practicar mucho. (補語)
大事なのはたくさん練習することだ
・Anoche me fui sin cenar a la cama. (前置詞補語)
昨日の晩は夕食を取らずに寝た
・Confío en aprobar el examen de mañana. (前置詞補語)
明日の試験に合格すると信じている
・Al terminar la carrera universitaria, ella se fue al extranjero. (前置詞補語)
大学を終えると、彼女は外国に行ってしまった
*基本的に不定詞の意味上の主語は主節の主語と同じです。違う場合は不定詞の後ろに不定詞の主語を起きます。
Al salir el sol, salí de casa. 日の出とともに私は家を出た
2. 現在分詞(gerundio)
現在分詞の語尾は、ar動詞は-ando、er動詞とir動詞では-iendoになります。
・hablar → hablando ・comer → comiendo ・vivir → viviendo
現在分詞の複合形(完了形)はhabiendo + 過去分詞になり、主文の時制より前の時点を表します。
・hablar → habiendo hablado ・comer → habiendo comido ・vivir → habiendo vivido
一般的に現在分詞は動詞の副詞形で、副詞的に働きます。
・Los niños comen charlando.
子どもたちはおしゃべりしながら食べる
・Estando mal, no pude ir.
体調が悪かったので、私は行けなかった
・Paseando por la calle, vi a tu hermano.
通りを歩いていると、君のお兄さんに会った
・Sigue aprendiendo español.
彼はスペイン語を学び続けている
・Habiendo terminado los deberes, salió de paseo.
宿題を終えると、彼は散歩に出た
*基本的に現在分詞の意味上の主語は主節の動詞と同じで、違う場合は現在分詞の後ろに置きます。
・Llegando la primavera, cantan alegremente los pájaros.
春が来ると、小鳥たちは嬉しそうに歌う
3. 過去分詞(participio)
過去分詞の語尾は、ar動詞では-ado、er動詞とir動詞では-idoになります。
・hablar → hablado ・comer → comido ・vivir → vivido
不規則形では、-to, -choの形になるものがあります。
・abrir → abierto
・poner → puesto
・romper → roto
・decir → dicho
・hacer → hecho
一般的に過去分詞は動詞の形容詞形で、形容詞的に働きます。
名詞を修飾する場合は、修飾する名詞の性と数に合わせて変化し、「~された」という受け身・完了の意味を持ちます。
・Tengo un libro escrito por el escritor. (名詞を修飾)
私はその作家が書いた本を持っている
・Las montañas adornadas con nieve son bonitas. (名詞を修飾)
雪に飾られた山々は美しい
・Caído el sol, volvimos a casa. (分詞構文)
日が暮れて、私たちは家に帰った
今回は少し細かくなりましたが、不定詞、現在分詞、過去分詞の使い方を見てみました。
読んだり聞いたりしているときに出てきたら、じっくりと用法を観察してみるのもいいかもしれません。