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スペインの映画館の観客数、10年で約10%減少

2019.06.19

スペイン映画協会(FECE)の報告書によると、スペインではここ10年で622の映画館が姿を消しました(15%減)。去年だけで100件の映画館が消えています。さらに、映画館の観客数は10年で9.3%減、2008年の1億780万人から2018年には9,770万人に減り、2017年の9,980万人からは1年で2.1%減となっています。また、2018年に3,518件の映画館またはスクリーンが登録されているのに対し、2017年は3,618件、2008年は4,140件の登録がありました。

 

 

観客数の減少はあるものの、入場券の販売への影響はそれほど深刻ではありません。売上は、2008年は6億1,930万ユーロ、2018年は5億8,570万ユーロで5.4%減となっています。FECEの協会長によると、この減少は、経済危機や付加価値税(IVA)の値上げ、市民の購買力の低下、海賊版の影響などによるもので、減少の時期はすでに乗り越えたとしています。「非常に苦しいプロセスだったが、減少の時期は乗り越えた。新たな勢いをつけていきたい」と語ります。

 

 

注目すべきは、映像業界が映画館のデジタル化のために投資を進めている点です。これまでに2億3000万ユーロが投じられ、94.3%の映画館のデジタル化が完了しています。

 

 

年齢別の利用状況と動画配信プラットフォームの影響

また協会の報告書には、動画配信プラットフォームの利用が映画館の観客数の低下につながっている、若者の映画館離れが進んでいるなどの意見を示す調査も含まれています。その情報によると、25歳以下が最も頻繁に映画館に行っており(調査対象の10人に7,4人が最低月1回)、同時に動画配信プラットフォームを最も利用しています。80%が利用しており、目的は主に連続ドラマを見るため(48%)、映画を見るため(7%)、両方(45%)となっています。年齢が上がるにつれて、プラットフォームの利用は半分にまで減ります。50歳以上では46%が利用する一方で、10人に7.3人が最低月に一度は映画館に通っています。

 

 

全体としては、スペイン人の半分より少し多くの人(54%)が少なくとも年に一度は映画館に行くと答えています。そのうち、約半分(51.2%)が最低月に一度は行く一方、毎週通う人の割合は9.9%に減っています。プラットフォームに関しては、一般的な浸透率は67%で、目的は連続ドラマ(46%)、映画(9%)、両方(45%)となっています。

 

 

他国との比較

映画館に行く回数をEUの他の国と比べると、スペインは3位。1位はフランス(2018年の観客数2億人、国民一人あたり3.2回)、2位がイギリス(1億7,700万人、2.7回)。イギリスは唯一観客数が増加している国で、この1年で3.2%増加しています。スペインの3位に続いて、4位がイタリア(8,590万人、1.4回)、5位がドイツ(1億500万人、1.3回)です。

 

 

入場券の平均価格は、FECEによると、スペインは最も安くて5.99ユーロ。最も高いのはドイツの8.53ユーロ、次にイギリスの8.21ユーロ、フランスが6.58ユーロ、イタリアが6.47ユーロです。しかし、海外映画に対する国内映画の割合では、スペインは17.5%にとどまり、トップがイギリス(44.8%)、2位がフランス(39.3%)、ドイツ(23.5%)、イタリア(23%)と続きます。

 

 

スペインは映画館の入場料が安くてうらやましいですね!日本の映画の観客数を調べてみると、1年以内に映画館で映画を見た人は35.3%で、鑑賞率の低下が続いているそうです。年齢別に見ると10代の男女の鑑賞率が高くなっています。鑑賞率が下がる一方で、1人あたりの鑑賞数が増えるなど、二極化が進んでいるようにも見えます。また、動画配信サービスの利用をする人は映画館に行くことも多く、競合関係というよりは共存関係にあるようです。動画配信サービスに関してはスペインも同じような傾向と言えるでしょう。

 

 

スペインに行ったら、ぜひ映画館にも足を運んでみてください。スペイン以外の映画もスペイン語に吹き替えられているのでスペイン語の勉強になります。(オリジナル音声で見られる映画館もあるようですが、まだ数は少ないです。)