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普段よく使われるアラビア語起源のスペイン語

2022.03.17

イベリア半島では、古代イベリア、ローマ、ギリシア、アラブなど、多くの異なる文化や人々が交錯してきました。


そして、それらの文化はスペイン語にも大きく影響してきました。中でも数世紀に渡ってイベリア半島を支配したイスラム・アラブ勢力はスペインの文化や言語に大きく痕跡を残しています。


日常的にスペイン語で使われる単語にはアラビア語起源のものがたくさんあります。


いくつか例を挙げてみます。


Aceite:油、オイル

もともとは「オリーブの果汁」を意味するアラビア語‘azzayt’が、イベリア半島に入って‘azzáyt’となり、やがて現在の‘aceite’となりました。


Azúcar:砂糖

ギリシア語の‘sakjarが借用語としてアラビア語に入って‘sukkar’となり、それがイベリア半島で‘assúkkar’となり、現在の形になりました。


Alcohol:アルコール

アラビア語の‘kuhl’がイベリア半島で‘kuhúl’に変化し、現在の形になりました。もともとは女性が頬紅として使うアンチモンの粉の化粧品を意味していました。さらに以前は、濾過・精製して作られる物質全般を指していたようです。


Alquiler:賃貸、賃貸料、家賃

同じ意味を持つアラビア語の‘al-kira’から来ています。


Alfombra:絨毯、敷物、ラグ

アラビア語の‘al-hanbal’から来ています。

al-で始まる言葉が続きますが、al-はアラビア語の定冠詞で、後ろに続く言葉によってはal-がa-になることもあります。


Zanahoria:ニンジン

イベリア半島のアラビア語の‘safunnárya’から来ています。もともとはギリシア語起源の言葉です。


Naranja:オレンジ

スペインのしぼりたてのオレンジジュースの美味しさは格別ですが、‘naranja’は、サンスクリット語の‘nāraṅga’がペルシア語で‘nārang’となり、アラビア語に入って‘nāranǧ’となって、イベリア半島で‘naranǧa’となり、現在の形になりました。


知っている言葉はあったでしょうか?

al-で始まる単語はアラビア語起源のものが多いです。

気になる方はRAEの辞書を見ると、その言葉の起源を知ることができます。

スペイン語のアラビア語起源の言葉は多く、イスラム・アラブの影響が強かったことが伺えます。