スペイン名物「チュロス」の歴史
2021.11.16小麦粉でできた生地を棒状に絞り出して油で揚げたお菓子「チュロス」。
チュロスはスペインの食生活に欠かせないと言っても過言ではないでしょう。
お祭りの屋台、お酒を飲んだあと、新年のお祝い、おやつ、朝食など、いろいろな場面で食べられています。
チュロス屋さんもたくさんあり、なぜか夜遅くや明け方に混んでいたりします。お酒を飲んだあとに、日本人ならラーメンが食べたくなるように、スペインの人はチュロスを食べたくなるらしいです。
チュロスの起源についてはいくつかの説があります。
1つ目は中国を起源とする説。中国で12世紀頃に油条(youtiao)という小麦粉と塩などで作った生地を油で揚げた揚げパンが作られるようになりました。この細長い揚げパンは確かにチュロスによく似ています。これが後にポルトガルに伝わり、スペインにも入ったのではないかとする説です。
2つ目はアラブを起源とする説。スペインにはアラブを起源とするブニュエロスという揚げ菓子もあり、紀元前1世紀ごろのローマの料理の本に出ている小麦粉と水の生地で作るレシピのブニュエロスは現在のチュロスとよく似ているそうです。地中海地方ではこの種の食べ物がずっと昔からあったのです。
チュロスはホットチョコレートといっしょに食べられることも多いですが、単品でも食べられています。チュロスとホットチョコレート(chocolate con churros)の組み合わせはパーフェクトで、スペインだけでなく中南米でも見られます。
最近では、11月11日は「世界チュロスの日」として祝われているそうです。
チュロスの棒状の形からこの日が選ばれたようですが、誰が始めたのかはよくわかっていません。
“venderse como churros”という表現もあります。
「チュロスのように売れる」というのが文字通りの意味ですが、「飛ぶように売れる・大量に売れる」という意味で使われます。美味しそうなチュロスを見るとつい買ってしまう人が多くてよく売れるところからこんな表現が生まれたのかもしれません。
スペインに行ったら、チュロスとホットチョコレートを是非試してみてください!