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スペイン語の漫画『Mafalda(マファルダ)』の作者キノ氏、死去

2020.10.05

アルゼンチンの漫画家キノ(本名 ホアキン・サルバドル・ラバド)氏が9月30日にアルゼンチンのメンドサで88歳で亡くなりました。

彼の代表作である4コマ漫画『マファルダ』は30以上の言語に翻訳され、世界中で読まれています。日本語でも読むことができます。

 

『マファルダ』と言ってもピンとこない人も多いかもしれませんが、絵を見れば知っている人もいるでしょう。

黒いモジャモジャした髪にリボンを付けた女の子が主人公の漫画です。

 

マファルダは、もともとは家電製品のブランドのMansfieldの広告のために作られたキャラクターでした。

アルゼンチンのある会社が冷蔵庫や家電製品の新ブランドMansfieldを立ち上げるときに広告キャンペーンのために広告代理店に仕事を依頼。その代理店が漫画で製品を宣伝することを提案し、その漫画のキャラクターにMansfieldのMで始まる名前をつけることになりました。その担当になったのがキノ(ホアキン)で、マファルダ(Mafalda)が誕生したのです。

このキャラクターを考える際に、キノはスヌーピーの登場する『Peanuts(ピーナッツ)』の影響を受けていたそうです。

 

結局、キノの描いたキャンペーンのための『マファルダ』は宣伝色が濃すぎるという理由で掲載予定の日刊紙に掲載されませんでした。そして、マファルダ誕生の2年後に宣伝のないバージョンで別の新聞などに掲載されるようになり、1973年まで続きました。映画にもなりました。

 

マファルダという小さな女の子の目線から描かれた漫画ですが、社会に対する風刺の効いた作品で、掲載終了からすでに40年以上経つ今でもその内容は古さを感じさせません。

マファルダはスープが大嫌いで、世界平和のために働きたいという設定になっています。

 

キノはアルゼンチン生まれですが、両親はスペインのマラガ出身で、キノは1990年にはスペインの国籍も取得しています。

 

オビエドにあるマファルダの銅像には、キノの死の知らせを聞いたファンからの花がたくさん供えられています。『マファルダ』はスペインでもとても有名で、マファルダという名前の女性が以前はたくさんいたそうです。

日本では、マファルダはある金融機関のマスコットキャラクターとして利用されていたことがあり、テレビで日本語吹き替え版が放映されたこともあります。

 

『マファルダ』を読みながら彼の冥福を祈りましょう。