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ベレー帽の歴史

2018.11.29

ベレー帽は誰もが知る通り、てっぺんにチョボが付いた丸い平たい帽子です。いつの時代も愛されてきましたが、実は最古のベレー帽は、イタリアのサルデーニャ島で見付かった青銅器時代の小さな男性像がかぶっていたそうです。また、イタリアのみならず、スペインの西部でもその古い歴史が確認されたり、デンマークでは、11世紀紀元前に使用された考古学的遺跡も残っています。オーストリアでも、紀元前8世紀の遺跡として発掘されています。そしてその後、畑仕事の際に農民が使用していたであろう絵が12世紀頃のドイツの絵画に残されてもいます。また16世紀に入ると高貴な人がベレー帽を被るようになった文化も、貴族の肖像画などで見て取ることが出来ます。

 

 

スペインにおけるベレー帽の歴史

 

17世紀頃にスペイン北部バスクから始まったと言われています。ブルゴスのレイ病院の門には、16世紀の巡礼の旅人が幅広いベレー帽を被っている様子が確認できます。

 

 

ゴヤ(Francisco de Goya)は18-19世紀を生きた、スペインを代表する偉大な画家でありますが、彼の闘牛の絵画にはベレー帽を被った人物が何度も登場しています。スペイン独立戦争時の兵士たちも、19世紀のイサベル2世のアンチグループであったカルリスタスも、やはり赤いアーミーベレーを被っています。また、この帽子は中南米にも渡り、シンボル的な人物を挙げると愛好者にかのチェ・ゲバラがいます。

 

 

バスク地方のトロサナという町のエロセギ社(Elósegui)は、現在もベレー帽の老舗メーカーですが、スペイン内戦時代には、工場で1日に45,000枚もの帽子が生産されてたそうです。

 

ベレー帽の面白いところは、4000年もの間デザインがほぼ変わっていないところです。多少幅が広くなったり狭くなったりしただけで、頭の輪郭に沿って丸く頭に乗っかるスタイルは不変なのです。スペイン各地にはベレー愛好家達によるベレークラブが幾つか存在しており、不動の人気を保っています。

 

 

スポーツから見るベレー帽の歴史

ワニのマークで有名な「ラコステ」の創設者、フランスのテニス選手レネ・ラコステ(René Lacoste)も試合中にベレーを被っていました。20世紀初頭のスポーツ選手は、バイザーなしのキャップを愛用する人が多かったようです。

 

 

映画界におけるベレー帽の歴史

1920年から1930年代のハリウッド界におけるベレー帽の人気は絶大、特に映画監督は皆こぞって被っていました。また、映画の中で俳優がベレーを被る度、ファッション業界における出現率も増えるのでした。

 

 

ベレー帽の言葉の語源

ラテン語 abonnis 由来のboneteという言葉から来ています。意味は「帽子』。スペイン北部ではボイナ(boina)、南部ではボイーナ(boína)とアクセントの場所が変わります。

 

 

芸術家に愛されたベレー帽

ピカソのトレードマークとも言えるこの帽子は、他の画家や芸術家にも愛用されてきた歴史があります。日本だと手塚治虫や藤子・F・不二雄などベレー愛好家として知られています。あと、ボーイスカウトもベレーを被っていますね。

 

 

かぶり方色々ベレー帽

最近では、前は浅く後ろは深く、後ろに重心を傾けてこなれ感を出すのが流行とか。逆に、軍隊のベレーのかぶり方は、斜めに被ってどちらか一方を立て、反対側を下げることが多く、バスクベレーでもその傾向があるそうです。(Wikipediaより)軍隊以外は、ベレーのフチは巻き込むことが原則です。