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スペインの医療研究チーム、すい臓がんの治療に大きな一歩!

2019.04.18

すい臓がんは治療の難しいがんです。スペイン語ではcáncer de páncreasと言います。しかしこのたびスペインの医療研究チームがこのがんの治療に大きく貢献する成果を出したことでニュースとなっています。2019年4月9日付の『elPeriódico』誌が伝えました。

研究チームは、医師マリアーノ・バルバシードが率いる「Oncología Experimental del Centro de Investigaciones Oncológicas」。彼らはマウスのすい臓の腫瘍を完治・消滅させることに成功。この実験結果は、今後のすい臓がんの治療に非常に有益な前進であると伝えられています。

すい臓がんの現行治療は、腫瘍の場所がはっきりと分かっていて、その患部を外科手術で取り除く方法のみに限定されています。そしてこの治療で治る患者は、なんと10%以下。スペインでの診断は年間4,000件も数えられます。そしてすい臓がんは、4番目に発症しやすいがんでありながら3番目に致死率の高いがん、という非常に危険な悪性腫瘍で、初期診断から5年後の生存率はわずか5%。だからこそ画期的な治療方法が緊急で要請されていました。

研究チームは5年の歳月をかけて実験し、実験用マウスのうち半数の個体から2箇所の腫瘍を取り除くことに成功。この治療方法を応用して、今後、医療に採用される際には人間のすい臓にできた腫瘍のうち9/10は取り除くことができるだろうと予想されています。これは重大な一歩だとして、医学会で大きく注目を浴びています。