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スペインでは選挙事務をする人はどのように選ばれる?

2019.10.04

選挙に行くと、受付や投票用紙の配布などをしてくれる人がいますね。投票時間が終わったあとは開票や集計の作業もあります。このような選挙事務は、日本では役所の職員が担当したり、アルバイトの学生や一般の人が担当したりと、自治体によってさまざまです。では、スペインではどのような人が担当しているのでしょうか?

 

答えは、「抽選で選ばれた人」。スペインでは、選挙当日に選挙会場で受付などの選挙事務を担当する人は抽選で選ばれます。抽選は、住民登録をしている70歳以下で読み書きができる人を対象に市役所や町役場によって行われます。抽選の結果は公開されませんが、選出された人には抽選日から3日以内に通知されます。通知には受領確認とともに、担当する仕事の内容のマニュアルが同封されています。この抽選、一度選出されたからといって免除されることはないのだそうです。小さな町だと何度も同じ人が選出される可能性もあるそうで、あたった人は大変です。

 

投票箱の置かれる机ごとに、リーダー(その机の責任者)と2人のサブ(補佐)が抽選で選出されます。事情で都合が悪い場合は、通知から一定期間内に理由とともに申請し、理由が正当と認められると免除されます。たとえば、体が不自由、一時的に病気で仕事ができない、妊娠中、育児休暇中、他の都市に居住している、家庭の重要な行事があって変更できない、などの理由があると免除されるようです。

 

リーダーと2人のサブには、それぞれ2人の補欠が選出されます。補欠を含めて選出された人は選挙の日の朝8時に担当する投票所(学校)に集まります。そこで、リーダーとサブ2人が全員来ていれば補欠の人は帰れます。もし、欠席者がいれば第1の補欠の人が、その人も欠席なら第2の補欠の人が仕事をすることになります。

 

学校を開けるところから開票、集計作業まで、仕事の詳細は通知とともに送付されるマニュアルに説明されています。選挙が公正かつスムーズに進むようにする重要な仕事ですが、果たしてその報酬はいくらくらいだと思いますか?報酬の額は規定で定められており、65ユーロだそうです(2019年現在)。

 

さて、スペインでは11月に再び総選挙が行われます。またたくさんの人が抽選で選ばれて選挙の仕事をすることになります。今度の選挙はどんな結果になるのでしょうか。