スペイン語の表現:“hacer el agosto”ってどんな意味?「8月をする」??
2020.08.17毎日暑い日が続きますね。つい「暑い!」と言ってしまいませんか?
スペイン語で言えば、Hace mucho calor. / Hace muchísimo calor.となります。
日本ではお盆をすぎると秋の気配が感じられるようになると言いますが、
涼しくなるのはもう少し先になりそうですね。
さて、8月にちなんだ表現 “hacer el agosto”、暑さや夏休みに関係がありそうですが、残念ながらそうではありません。
現在では「短期間でたやすく大金を手に入れること、時流に乗って大儲けすること」の意味でよく使われます。
つまり、うまい商売をするという感じですね。
たとえば、今年は事情が違いますが、通常ならスペインには夏に多くの観光客がたくさん訪れて、ホテルやレストラン、バルなどは一年の収入の大半を夏に手にいれます。なので、こういった業界は夏に“hacer el agosto”するわけです。
おもちゃのお店やアクセサリーのお店ならクリスマスの時期がそうでしょう。
Este tipo de negocios hacen el agosto en verano.
この種の商売は夏に大儲けする
En Navidad, el sector del juguete hace el agosto.
クリスマスにおもちゃ業界は大儲けする
でも、なぜこの表現では8月が稼ぎ時になっているのでしょう?
それは、この表現は古くから農家で使われていたもので、夏は穀物や野菜、果物などの収穫の時期であるためです。
つまり、「収穫を行う」という意味だったのです。
昔は“hacer su agosto y su vendimia”と言われていたそうです。
“Agosto y vendimia no es cada día, y sí cada año, unos con provecho y otros con daño”.
「8月と収穫は毎日ではなく、毎年(一年に一回)のもので、得をする者もいれば、損をする者もいる」
という表現もあります。
たくさんの収穫がある8月というイメージだったのが、だんだんと「収穫したものを売ってお金にする、大儲けする」の意味になっていったのかもしれません。
夏(el agosto)が収穫の時期だと考えると、“hacer el agosto”の意味も納得できますね。
コロナウイルスの影響で、現在“hacer el agosto”しているのは、マスクや消毒薬などの業界かもしれません。
でも、夏はやはりホテルやレストランなどが“hacer el agosto”できる方がいいですね。