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肉を食べる?食べない?スペインのビーガン・ベジタリアン事情

2019.09.17

最近、ベジタリアンやビーガン対応のレストランやカフェが増えていると思いませんか?ベジタリアンやビーガン対応の食品の販売も増えてきています。これは世界的な傾向のようで、スペインでも肉食を控える人が増えつつあります。

 

ある調査によると、スペインの人口の約10%の人がビーガンで、ここ2年ほどで27%増加。さらに35%の人が2018年に赤身肉(牛、豚、羊、ヤギなど哺乳類の肉)の消費を減らしたり、やめたりしています。一方、果物や野菜の消費量はさほど増えていないそうです。

 

ビーガン、ベジタリアン、フレキシタリアンの違いはというと、ビーガンは卵や乳製品なども含めて動物由来の食べ物を一切口にしない完全菜食主義者を指します。中には革製品や毛皮など食べ物以外の動物由来のものもすべて避ける人もいます。ベジタリアンは主に植物由来の食べ物を摂取する菜食主義者を指し、乳製品や卵、はちみつなども食べる場合もあります。フレキシタリアンは基本的にはベジタリアンで果物や野菜や豆を主に食べ、時々は肉や魚も食べる柔軟な菜食主義者のことを言います。

 

このように肉食を控える人が増えている背景には、健康的な食生活への関心以外にも、環境への影響への懸念、動物の扱いに対する懸念などがあるようです。畜産には大量の試料や水が必要とされ、糞尿による環境への影響もあり、持続可能な食料生産ではないと考える人もいます。また、動物の飼育環境や屠殺の方法に疑問を持つ人や、動物を殺して食べること自体に疑問を感じる人も増えています。

 

同じ調査によると、65%のスペインの人がビーガンやベジタリアンの人のための選択肢が十分でないと考えており、71%がスーパーはより多くの選択肢を提供するべきだと答えています。このような状況の中、ドイツのスーパーマーケットのチェーンLidlは『My Best Veggie』という独自ブランドでビーガンやベジタリアン対応の製品を提供、スペインの市場で最も多くの対応製品を供給しています。たとえば、きのこと豆腐、ほうれん草と豆腐のコロッケや豆のハンバーガー、豆腐と野菜のエンパナダ、ベジタリアン肉団子などがあります。スペイン大手のスーパーMercadonaでも多くのビーガン・ベジタリアン製品が販売されています。

 

そして、なんとLidlの『My Best Veggie』にはトルティージャ(スペイン風オムレツ)もあるのです。スペインの人がビーガンになったときに一番食べられなくて残念だと思う料理を調査したところ、トルティージャが1位だったそうです。ビーガン対応トルティージャはひよこ豆の粉を主に使用してつくられており、完全ビーガン対応製品です。

 

何を食べるのが健康に良いのか、肉を食べるのか食べないのかについてはいろいろな意見があり、正解はないように思えます。ただ、自分の食べているものに興味をもってみること、それがどのように生産され、流通されているのか、環境にどんな影響を与えているのかなどを考えてみることは必要だと思います。