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マドリードのスクランブル交差点の導入、見送りへ

2020.07.27

 

 

王宮の北側に位置するスペイン広場はドン・キホーテとサンチョ・パンサの像があることで有名ですが、現在改修工事が進められています。その改修工事の一部として、スペイン広場と目抜き通りのグラン・ビアをつなぐ交差点にスクランブル交差点を導入することが検討されていましたが、さまざまな検討を重ねた結果、導入は見送りになるようです。

 

多くの車と歩行者の行き交うこの交差点については、スムーズな人と車の流れの実現などを目的として、スペイン広場の改修を含めて改修案に関する投票が行われ、渋谷のようなスクランブル交差点を導入する案が1位に。この案では、歩道の拡張、歩道と車道の段差の解消、歩行者が横断するときに全方向の信号を青にして、車と歩行者の接触をなくして安全に歩行者が横断できるようにスクランブル交差点を導入することなどが盛り込まれていました。

 

日本の渋谷のスクランブル交差点は観光スポットしても有名で、マドリードにも渋谷のようなスクランブル交差点ができると一時話題になりました。しかし、技術的な検討の結果、スクランブル交差点の導入による利点が少ないと判断されたようです。というのは、スクランブル交差点では歩行者は斜め方向にも渡ることができるため、横断に必要な時間も長く必要になります。歩行者が横断に最低必要な50秒を確保するためには、全方向の車の流れを120秒止めることが必要になり、渋滞がひどくなるという結論に至ったようです。

 

このことから、スクランブル交差点は見送りになり、通常の信号を設置した交差点になるようです。歩道の拡張などは進んでいるので、完成時には以前より歩きやすい交差点になりそうです!

 

王宮、大聖堂、スペイン広場はマドリードの代表的な観光スポットです。機会があれば是非行ってみてください。

 

 

当初の案についてはこちらの記事をどうぞ

https://adelante.jp/noticias/blog/la-reforma-de-plaza-de-espana/