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カナダで活動するマリアッチグループ Los Dorados

2020.01.29

一度でもメキシコに行かれた方ならわかると思いますが、観光地のあちらこちらでマリアッチ mariachi と呼ばれる音楽団が路上パフォーマンスを披露しています。ザ・メキシコと言えるきらびやかな衣装と大きな帽子「ソンブレロ」を被って、彼らは観光客を相手に次々と生演奏!特に食事時には舞台を盛り上げて楽しませてくれます。時には、一度に複数のマリアッチグループに遭遇することも。19世紀はじめに生まれたこの大衆音楽は深く根づき、死者の日でもガイコツたちがマリアッチの衣装を着込むのは定番中の定番ですね。

 

メキシコのお家芸マリアッチは、今では海外にも広まっています。最近SNSで話題になったのは、カナダを拠点に活動しているマリアッチ楽団「Los Dorados」。この楽団が話題になったきっかけは、インスタグラムに投稿された一枚の写真でした。それは「Los Dorados」を23年前に立ち上げた、アレックス・アレグリアさんの写真。大雪の吹くカナダのバンクーバーで、マリアッチの衣装を着込んだ彼の写真が人々の目に止まり、彼と楽団はあっという間に有名になりました。そのマリアッチの衣装も、カナダを意識して白と赤で統一されており、背中にはカナダ国旗の赤いカエデがデザインされています。オアハカ出身ながら、カナダに定住してメキシコの民族音楽マリアッチを普及させていく、そのギャップにびっくりした人も多かったようです。

 

「Los Dorados」は元々はメキシコ南部オアハカ出身の団員たちが23年前に立ち上げたバンドなのですが、そのメンバーの現在の顔ぶれは実に国際的!12名いるうち、メキシコ出身の団員はわずか3名、そこにカナダ人、イタリア人、ポーランド人、ウクライナ人、中国人、韓国人、台湾人と、なんとアジア人も含めた多国籍ミュージシャンたちで構成されているのです。もちろん衣装も奏でる音楽もしっかりメキシコ準拠のマリアッチ。

 

多くの日本人がスペインのフラメンコに魅了され、実際にカンタオール(ラ)やダンサーとして活躍しているように、マリアッチに魅了され活動する人がこうして世界各国にいるのですね。