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アルモドバル監督「私はスペインの民主主義の証明である」

2019.09.03

日本でもファンの多いスペインの映画界の巨匠ペドロ・アルモドバルですが、8月29日に開催された第76回ベネチア国際映画祭で、生涯功労賞を受賞しました!

 

最近ではアントニオ・バンデラスが主演の最新作『DOLOR Y GLORIA』で話題になりましたが、さらに今年の夏には、アルモドバル監督プロデュース作のアルゼンチン映画『永遠に僕のもの』が日本でも公開されました。こちらは天使のような美貌の美しき連続殺人犯を耽美的に描いた怪作で、観た人はみんなメロメロになったとか……笑(大阪でも今シネ・リーブル梅田で上映中!)

 

 

これまでもアルモドバル監督は『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』、『ボルベール』、『私が、生きる肌』など、時には観客をゾクっとさせる展開を見せながら、大ヒット作をいくつも制作してきました。ベネチア映画祭の関係者も次のように高く評価しました:「アルモドバルは単に、ブニュエル以来のスペインで最も偉大で最も影響力のある映画監督であるだけではありません。彼はフランコ独裁体制が崩れた後の、多面的で、議論が飛び交って、挑戦的となったスペインへのまなざしを、私たちに与えてくれた中心人物でもあるのです。違犯、アイデンティティ、欲望といったテーマは、アルモドバルが彼の映画作品のために選んだ得意分野ですが、こうしたテーマを彼は自らの辛辣なユーモアと素晴らしい視覚的効果でもって際立たせているのです」。

 

確かにアルモドバルは、民主化した20世紀スペインの中から登場した映画監督と言えますね。彼自身もスペイン国内事情について、今回の受賞を受けて、次のようなコメントで自らのキャリアを振り返っています:「私が映画を撮り始めたのは1979年で、その当時の私を最も魅了していたのは、スペインで起きた変化でした。そしてこの変化を語るのにスペイン映画以上のものはありません。私にとって大きな糧となったのは通りの風景です。そこで私は育ち、今の私は当時の結果、つまりスペインの民主主義の結果なのです。私の映画作品で明かされているのは、スペインの民主主義は真の民主主義であったということ、そして私はその証明のひとつであったということです」

 

原色を配置した強烈な色彩感覚が特徴のアルモドバル作品ですが、スペイン民主主義の軌跡として過去作品から時代を追って鑑賞していくのも、また面白そうですね!