10月12日はスペインのナショナルデー(Día de la Hispanidad)でした。コロンブスがアメリカ大陸を発見したとされる1492年10月12日にちなんで、スペインではDía de la Hispanidadとして、アメリカ大陸の国々では「発見の日」「人種の日」などとして祝われています。
この日、スペインの首都マドリードでは、陸海空軍、治安警備隊(Guardia civil)、王室警備隊(Guardia real)の軍事パレードが行われます。
空軍の飛行ショーが行われ、その後にパレードが行われますが、このパレードの影の主役とも言えるのが各部隊の連れているマスコットの動物なのです。
スペイン軍の公式のマスコットは雄羊とされていますが、その起源は戦場での食料確保のために家畜を連れていたことにあります。肉やミルクを供給してくれる動物を連れていたわけです。
食料確保のための存在ではありましたが、兵隊たちは動物たちに愛着を感じるようになり、部隊の一員になっていったようで、10月12日の軍事パレードには欠かせない存在になっています。
公式のマスコットは雄羊ですが、ここ数年のパレードにはヤギが登場しています。実は、実際のマスコットはもっと多様で、部隊が遠征すればその場所に生息している動物をマスコットとして選ぶためなのです。
たとえば、セウタではサル、サハラではガゼル、他にもオウムやクマなどもマスコットになってきました。スペインでは羊やヤギがよく見られる動物でマスコットになることが多いため、パレードに参加する機会が多くなっているそうです。
今年2022年のパレードに登場したのは6ヶ月の子羊で名前はTitán(ティタン)。
帽子と飾りの布を身につけた子羊が隊員の後ろをとことこ歩いている姿はなんとも愛らしいものでした。
しかし、こんなマスコットの動物とのパレードが行われるのも最後になるかもしれないそうです。
最近、動物保護の新しい法律ができたため、動物をイベントに出すことが法律違反することにあたるかもしれないのだとか。
来年はどうなるのでしょうか。