新型コロナウイルス感染症の蔓延、ロシアのウクライナ侵攻、そしてコロナ禍からの景気回復などの影響を受けて、スペインでは物価上昇が続いていますが、少しずつ落ち着きが見えてきているようです。
スペイン国家統計局(INE)によると、2023年5月の物価上昇率は前年同時期に対して3.2%で、4月の4.1%を下回りました。
この傾向は続くとみられ、6月の物価上昇率は2%前後になるようですが、食料品の物価上昇は激しく、5月の上昇率は前年同時期比で12%でした。
たとえば、砂糖(46.3%)、バター(25.2%)、オリーブオイル(24.7%)、全乳(24.3%)、ジャガイモ(23.6%)、低脂肪乳(23.2%)など、毎日の食卓に欠かせないものの物価の上昇が大きく、家庭への影響は大きくなっています。
加工食品の上昇率も大きく、5月は12.9%で、生鮮食品は8.8%でした。生鮮食品とエネルギーなどをのぞいた基調的インフレ率は6.1%に達し、健全なレベルとされる2%を大きく上回っています。
前年比の物価上昇率は落ち着いてきたものの、コロナ禍が始まってからの累積のインフレ率は15%を超えています。2020年2月のコロナ禍が始まる直前と比較すると、食料品は27.2%、アルコール飲料とタバコは12.2%上昇しています。
中でも、上昇が顕著なものの上位は、砂糖(52.5%)、宿泊費(44.2%)、オリーブオイル(40.4%)、バター(37.7%)、サルサ・調味料(36.4%)、ジャガイモ(33.9%)、卵(33.1%)、全乳(33%)、紙製品(32.6%)、低脂肪乳(32.2%)でした。
全体としては、2023年の前年比の物価上昇平均は3.4%前後、2024年3.2%前後になるとみられています。
日本からスペインに行く場合は、円安の影響があるのでさらに物価が高くなったと感じるかもしれません。宿泊費がかなり上がっているのもちょっと気になりますね。
インフレが落ち着いて、生活しやすいレベルになってくれることを祈りたいと思います。