スペインの統計庁(INE)では国民生活や経済、社会についてなどさまざまな統計的調査を行っています。その中の1つに名前と姓の調査があります。2019年1月の姓のデータによると、よくある姓は多い順にGarcía, Rodríguez, González, Fernández, López, Martínez, Sánchez, Pérez, Gómez, Martínでした。
その起源を見てみると、たとえばFernándezは古くからある父の祖先に由来する姓で、西ゴート族に起源があるようです。「フェルナンド(Fernando)の息子(子孫)」という意味で、スペインだけでなくラテンアメリカでもよく見られる姓です。
Lópezという姓はLopeという名前から派生したもので、ガリシアに起源があるようですが、急速にイベリア半島やラテンアメリカに広がりました。スペイン北部のアストゥリアスやカンタブリア、レオンに起源があると考える人もいます。
Martínezという姓はMartínという名前やローマの戦いの神Marteから生まれたようです。スペインではガリシアやアストゥリアス、カンタブリアに起源があると言われています。Martínという名前は中世からヨーロッパ全体でよくある名前です。
Sánchezという姓も父の祖先に由来する姓で、「サンチョ(Sancho)の息子」という意味です。スペインだけでなくラテンアメリカでもよく見られる姓ですが、起源はよく分かっていません。現在のスペインのPedro Sánchez首相もこの姓ですね。
Pérezという姓はPedroという名前から生まれたもので、スペインでは北部のかつての王国、ナバラ、アラゴン、ガリシア、アストゥリアス、カスティーリャスなどに起源があります。そこから、レコンキスタとともに南に広がり、ラテンアメリカにも伝わりました。
では、珍しい姓にはどんなものがあるのでしょうか?
Caley, Ikene, Gunea, Oae, Ranga, Sagairi, Zudorなどの姓は、それぞれ20人ほどしかその姓を持つ人がいない珍しいものです。多くは、あまり知られていない地名や人名、あだ名などから来ているようです。外国の姓から来ているものもあるそうです。
日本の姓の上位3位は、佐藤、鈴木、高橋だそうです。日本の姓は、地名や地形、位置関係・方角、職業などから来ているものが多く、名前から来ているものはあまりないようです。
姓も国や地域によって由来が違うものですね。