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生ハム協定〈スペイン・中国〉

2018年12月1日 LIBRE MERCADO Web記事より

この度、生ハム協定がスペインと中国の間で結ばれた。中国への生ハムの塊肉の輸出はすでにされていたが、いよいよ骨付きの 生ハム、前足後ろ足共に輸出が許可されたのだ。そして熟成期間が短い313日(約10か月未満)の生ハムも輸出できるようになる。(スペインの生ハムの通常熟成期間は、18~24ヵ月がベストとされている)

 

中国の李 克強(り こっきょう)首相は11月末スペインを訪問した際、国中から手厚い歓迎を受け、目的である20もの経済・文化協定を次々と確定していった訳であるが、そのうちの最大のテーマは豚肉の輸入(中国側にとって)規制に関する協定だった。これまでの厳しい輸出の柵を取り除き、新しい開けた市場を促進し経済活性化しようというのである。今までの豚肉加工品輸出は要冷凍で、いわゆる骨の付いたものは一切禁止されており、生ハムでも10か月以上熟成したものでないと受け入れられなかった。(イベリコ豚の最高級の生ハムなどは、4年寝かせるものもある)。ところが今回の協定では、冷蔵肉でもどんな部位の豚肉でも受け入れ、熟成期間も10か月未満のもの、例えばソーセージなどの腸詰製品までが可能となったのだ。スペインの食肉業界にとってもこれは、最大のチャンスが到来と期待されている。

 

 

 

スペインの全イベリコ豚協会 Asici (Asociación Interprofesional del Cerdo Ibérico )によると、「今までも骨抜きの塊生ハムは中国に輸出していたが、熟成期間については規制があった。しかし、今回の熟成期間の規制緩和は我々にとって非常にありがたいことである」と述べている。今後は各スペイン食肉加工メーカーの競争が激しくなることも予想される。また、スペイン・カパブランカ・ポーク・インタープロフェッショナル・オーガニゼーション(Organización Interprofesional Agroalimentaria del Porcino de Capa Blanca)の会長によると「中国の輸入規制が変わると、スペインの食肉加工輸出が大幅に増える。彼らはスペインの提供する食品を大変信頼してくれている。我々も是非その期待に応えていきたい、世界の中国に挑みたい」とコメントした。実際、スペイン最大の豚肉加工メーカーNavidul (ナビドゥル)や Campofrío (カンポフリオ)も中国への輸出緩和に期待を寄せる企業のひとつである。

 

中国は世界でも豚肉市場で最大であり、世界で生産されているものの50%を消費している国である。スペインは、2017年には、373.000トン、574万ユーロ(約700億)ほどの豚肉を中国に輸入した初の外国である。スペインで生産される生ハムの半分は、お得意先のフランス、イギリス、中南米諸国など諸外国に輸出されているのであるが、今後は中国が最大の顧客になることは間違いないだろう。中国の生ハムブームの上昇気流に乗って成功を描くスペインである。

 

 

 

 

 

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