スペインで車やバスに乗っていると円形になった交差点(rotonda:ロトンダ)をよく見かけますね。
円の中に入って、行きたい方向の出口までぐるぐると回っていくという、あの交差点です。
欧米ではよく見かけるロトンダですが、日本ではあまり見かけません。日本語では環状交差点やランドアバウトなどと呼ばれています。
スペインにはロトンダがいくつくらいあると思いますか?
実は8万ヶ所以上もあるそうです。
スペインでロトンダが最初に作られたのは1976年。場所はマジョルカのパルマノバ(Palmanova)でした。1974年にカタルーニャで導入計画がありましたが、実現しなかったそうです。1976年以降、ロトンダの導入が進み、特に1990年以降は急速に増えていきました。
信号がなくてもスムーズに行きたい方向に行けるロトンダを発明したのはフランスの建築家Eugène Hénardと言われていて、1907年に最初のロトンダをパリに導入しました。1925年にはイギリス最初のロトンダがロンドンに作られました。当時は外から交差点に入る車が優先されていました。交差点内の車が優先されるようになったのはスペインでは1990年だそうです。それまでは外から入る車が優先されて交差点内の車が動けない状態もあったそうです。
ロトンダでは原則として出口から出るときは外側の車線から出ることになっていますが、内側の車線から出るなどの問題も多いため、進入する路線で出口が決まるturborrotonda(トゥルボロトンダ)というロトンダも増えてきているそうです。
ロトンダはもともとは信号なしで交差点でスムーズに車を通行させるためのものですが、信号のあるロトンダもあります。たとえば、マドリードのあるロトンダの付近には19個も信号があるそうです。
ロトンダには中心に「島」の部分がありますが、大抵ここには木が植わっていたり、オブジェがあったりします。オブジェはユニークなものもあり、かなり費用がかかっているものもあるそうです。ロトンダは信号がないため建設コストが比較的安いと言われていますが、植物やオブジェのメンテの費用が意外にかかることもあるようです。
機会があれば、ぜひロトンダの中心にあるオブジェを観察してみてください。地域でテーマに沿って作られていると思われるものもあれば、「何これ?」というものもあり、面白いです。
ロトンダで車を運転される方は事前に基本的なルールの確認をおすすめします。