日本の子供達はもうサンタクロースからクリスマスのプレゼントを受け取っていますよね。
たいてい12月24日の夜にサンタクロースが来て、25日の朝にプレゼントが届いているのではないでしょうか。
今頃はもらったプレゼントで遊んでいる頃だと思います。
でも、スペインの多くの子供達はまだクリスマスプレゼントをもらっていません。
家庭によってはサンタクロースから12月25日にプレゼントがもらえる子供達もいますが、たいていは1月6日の朝にプレゼントをもらいます。
1月6日 はDía de los Reyes Magos(三賢王の日)と呼ばれ、レジェス・マゴス(三賢王)から子供達にプレゼントがもらえる日です。その起源は、星の導きによってイエス・キリストの誕生を知った三賢王(メルチョール、ガスパール、バルタサール)がイエスに贈り物を届けに来たという言い伝えにあります。
メルチョールの贈り物は没薬(mirra)でした。没薬はカンラン科の植物の樹液が固まってできた樹脂で、古代エジプトではもっとも重要な香料で、神殿で太陽神へのお香として焚かれていたそうです。また、殺菌力が強くミイラを作る際に使用されていました。没薬は「死」を象徴し、世界の罪を負って神の子として死に、のちに復活することも意味しているそうです。
ガスパールは乳香(incienso)を贈りました。乳香の樹液から作られたお香で「祈り」を象徴しているとされます。乳香も没薬と同様に宗教的な儀式でお香として使われ、ミイラを作る際にも使用されたそうです。神様に使われるお香であることからキリストが「神」であることも示しています。
バルタサールは黄金(oro)を贈りました。黄金は貴重な金属で「王位」を象徴し、キリストが「王」であることを示しています。
そんな言い伝えはさておき、子供達はクリスマスの頃になると、三賢王に手紙を書いて、自分がいい子であったことと、欲しいプレゼントを伝えます。1月5日には多くの街でパレードが行われ、お菓子がまかれて、子供だけでなく大人も本気で拾います。そして、6日の朝には三賢王からのプレゼントが届いているというわけです。三賢王からだから、3つプレゼントをもらえるのかどうかはわかりませんが…
悪い子には炭の形をしたお菓子が届くそうなので、クリスマス前は「そんなことしてると、炭をもらうことになるよ」と子供をたしなめる親御さんも多いとか。でも、プレゼントを開けて喜ぶ子供達の笑顔を見たくて、プレゼントを選ぶのでしょう。
笑顔いっぱいの年末年始になりますように。