スペインでは去年の秋から雨が降らず、水不足が続いています。
そんな中で、意外な場所が観光スポットになっています。
それは、水位の下がったダム湖。なぜそんなところに人が集まるのでしょう?
スペインの1ガリシアとポルトガルの間にあるリンドソのダムには週末になると何百人もの人が集まってきます。水位が下がったダム湖から水の底に沈んだ村が姿を現したからです。
ダムが建設されたのは1992年のことで、いくつかの村が地図から姿を消しました。ダムの底に沈んだからです。30年もの時を経て、干ばつで水位が下がったため村の建物が再び姿を現したのです。
その姿はSNSやテレビなどで知られるようになり、週末には多くの人が干上がったダム湖の底の建物の間を歩く姿が見られます。周辺の道路にはたくさんの車が停まっているそうです。
姿を現した村の建物は泥にまみれているものの保存状態がよいものもあり、それがかえって物悲しさを感じさせます。ここにかつては人が住んでいたのだと強く感じられるからでしょうか。
ダムに沈んだ村の住人の心境は複雑なようです。住んでいた村を捨てなければならなかった人たちはつらかったでしょう。そこに人が集まってくるのは、ダムの建設の現実を見る良い機会かもしれませんが、村の人々にとっては悲しい記憶がよみがえってしまうのかもしれません。
ダムの水位が下がってダムに沈んだ建物が姿を表す現象は、2アラゴン州のウエスカのメディアノのダム湖でも起こっています。水量が30%まで下がり、古い村の教会が姿を現しているのです。
深刻な水不足が早く解消されることを祈ります。