「月旅行」なんて言葉が昨年は世間を賑わせましたが……人類が初めて月に上陸したのは今から50年前の1969年6月のことでした。「アポロ計画」、あるいは「宇宙飛行士」や「月面着陸」といえばNASAやアメリカ合衆国がまずは頭に浮かぶと思います。一方で、意外と知られていないことなのですが、月面着陸のための宇宙服を初めて開発したのNASAではありません。アポロ11号の月面着陸から30年も前、スペインのとあるグラナダ人がそのプロトタイプを開発しました。
出典 / Wikipedia
もしかしたらこのプロトタイプを元に彼が開発・改良した宇宙服で、人類が月に行った未来があったかもしれません。けれども不幸にも、1936年のスペイン内戦の勃発によって、その道は途絶えてしまいました。
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一方でアメリカのNASAもこのスペイン製宇宙服の存在を知らなかった訳ではありません。NASAはエレーラに宇宙服の開発のオファーを出したようです。けれどもこの交渉は決裂してしまいました。なぜならエレーラ側のNASAヘの要求は、月面着陸が成し遂げられた時に、アメリカの国旗の隣にスペイン共和国政府の国旗も立てるというものだったからです。
結局、NASAはこの要求を受け入れられず、エレーラが「アポロ計画」のプロジェクトメンバーになることはありませんでした。でももし要求が通っていたら……。それにしてもプロトタイプの宇宙服のなんとユニークなことか!