家族や親しい友人のことを愛称で呼ぶことがありますよね。
小さい子供も愛称で呼ばれることが多いですね。
スペイン語でも愛称はよく使われていて、家族には小さい頃の愛称のままで呼ばれていたりすることもあります。
愛称の付け方にはいくつかパターンがあります。
1. 名前に-(c)ito, -(c)itaなどの縮小辞をつける
「小さい、可愛らしい」意味を込めてつけられます。
Juan → Juanito
Ramón→ Ramoncito
Ana → Anita
2. 名前の一部を省略する(前の部分や後ろの部分を省略)
Eduardo→ Edu
Teresa→ Tere
Nicolás→ Nico
Daniel→ Dani
Lupe→ Guadalupe
Catalina→ Lina
Edmundo→ Mundo
3. 複合名をくっつけて省略する
José María→ Josema
María Teresa→ Maite
María del Carmen→ Maica
他にもパターンはありますが、元の名前から想像がつくものが多いです。
でも、JoséがPepeと呼ばれ、FranciscoがPacoと呼ばれるのはこれらのパターンにあてはまりません。どう変形してもJoséからPepeは出てきそうにありません。
どうしてこのように呼ばれるのでしょうか?
・JoséがPepeと呼ばれる理由
聖書によればイエス・キリストの仮の父親はSan Joséです。
San Joséはラテン語で“Pater Putativus”(スペイン語でpadre putativo)、つまり「推定上の父親」で、“Pater Putativus”の頭文字、PaterのPとPutativusのPを取って、P.Pと呼ばれます。スペイン語でPの発音は「Pe」となるので、Pepeと呼ばれるようになったのだそうです。
・FranciscoがPacoと呼ばれる理由
こちらもJoséがPepeと呼ばれる理由に似ています。
13世紀はじめにフランシスコ修道会を設立したSan Franciscoはラテン語で“Pater Comunatis”(スペイン語でpadre de la comunidad)、「共同体の父」と呼ばれていました
ここから、“Pater Comunatis”の最初の二文字ずつを取ってPa+CoでPacoと呼ばれるようになりました。
PepeやPacoと呼ばれるスペイン語圏の友達や知り合いがいた方は、その謎が解けたのではないでしょうか(笑)。
筆者自身も謎が解けてすっきりしました。