プラド美術館といえば歴代のスペイン王が集めた約8700点のコレクションを有するスペイン最大の美術館です。
毎年多くの人がこの美術館を訪れますが、その名前の由来を知っている人はどれくらいいるでしょうか
メインの建物は、カルロス3世の命令により1785年に建築家のフアン・デ・ビジャヌエバによって設計されましたが、当初は自然科学の博物館になる予定でした。しかし、建物の用途が決まったのはフェルナンド7世の代で、妻のマリア・イサベルの提言で美術館となったのです。
そして、1819年11月19日に「Real Museo de Pinturas y Esculturas(王立絵画彫刻美術館)」として開館しました。最初の目録には絵画311点が掲載されていましたが、当時1510点の作品が既に所蔵されていました。
その後、1868年の革命により、「Museo Nacional de Pintura y Escultura(国立絵画彫刻美術館)」と改名されました。
さらに、1920年5月14日の政令により、現在の名前である「Museo del Prado(プラド美術館)」となったのです。
なぜ、「prado」という名前になったのか。「prado」は「草地」の意味です。
それは、すぐそばにサン・ヘロニモ・エル・レアル教会があり、現在のプラド美術館のある場所は「el prado de los Jerónimos」、つまりその教会の草地であったため、こう呼ばれるようになったのだそうです。
プラド美術館は「草地美術館」という意味だったわけです。
そのままの名前だったんですね。何だか意外な由来でした。