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ラ・コルーニャの牛模様の横断歩道

ガリシア州はラ・コルーニャの中心町、オベリスク塔広場近くの横断歩道は、いわゆる普通の横断歩道ではありません。スペイン語で横断歩道は「Paso de cebra」ですが・・・?

 

2018年8月29日 ABC Web記事より

 

ガリシアはスペインの中でも酪農畜産業が最も盛んな地域である。8月末、ラ・コルーニャの中心町、オベリスク塔広場近くの横断歩道がシマウマ模様から牛模様に塗り変わった。カサ・グランデ・デ・サンセダ乳業会社(Casa Grande de Xanceda)というガリシア地方のエコロジー乳製品の会社が、市庁舎の許可を経て乳製品推進プロジェクト目的で設置したものである。この会社の人によると、ガリシア地方の乳製品の良さをもっとみんなに知ってもらいたい、そんな思いで愛嬌たっぷりの牛模様の横断歩道にしたそうだ。彼らのスローガンは「Galicia, Somos la leche」。

 

この乳業会社のプロジェクト広報であるジェシカ・レイ氏は続ける。「ガリシア地方の質の高い美味しい乳製品をより多くの食卓へ届けることが目的です」「若者の田舎離れによる過疎化と高年齢化が否めないこの地域の活性につながると良いと思っています。私たちはガリシア地方に残っている数少ない酪農業者なのです」と。実際、現在のガリシア地方の村の人口約300人に対して牛が100頭占めていたり、313ある村のうち63の村では人間より家畜の方が多いとされている。10箇所ほどあるヨーロッパ主要酪農畜産業都市の中でも、一番にガリシアの製品を方々に広め、酪農業の価格変動による不安定さを払拭し、この地を活性化させるとともに若者を定住させることが狙いなのである。

 

そんなわけで行動に移したのが、プロモーションの一貫として町の横断歩道を牛模様に塗り変えることであった。もちろん市庁舎の許可もちゃんと得ている。こうして注目してもらうことで製品プロモーションに繋がるというわけだ。実際、横断舗道の横には実物大の牛の置物が設置され、ちゃんと乳絞りができるようになっている。またある駅には、酪農家による解説付き牧場の3D画像が映し出されるようになっていたり、生き残り作戦に必死である。また同会社の製品は、ラ・コルーニャのその恵まれた自然と、380頭の牛に対して40人以上の従業員で世話をするという、きめ細やかな環境の中で丁寧に生産されているのもまた、誇りなのである。

 

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