近藤麻理恵さんの著書、「人生がときめく片づけの魔法」(La magia del orden. Herramientas para ordenar tu casa… ¡y tu vida!)は、数年前スペインでも大きな反響がありました。こんまりさん(近藤麻理恵さんの愛称)の「自分のときめくものだけに囲まれて、自宅をパワースポットにして生活する」という説は、スペイン人の共感を呼び、多くの人が実践したはずです。その他にも断捨離(los métodos Dan-shari)も、物を捨てるだけではなく人生哲学として知られており、驚くほど彼らの生活に取り入れられているのです。
スペイン人のお宅を拝見してみて
スペインのお宅を拝見したことがある方は大体お分かりかと思いますが、一般的に玄関やキッチン、ダイニングやサロンはきちんと片付けられている場合が多いです。急な来客にも、あまり慌てない印象があります。特にキッチンとサロンが繋がっている家庭は、食卓テーブルの上に繊細なレースと花瓶や置き時計が置かれていたり「ここで本当に食べるのかな?」と思うほどです。もちろんその家庭それぞれなのですが、食卓の上の今朝の食事の残り物にラップがかかっていたり、食器がずっと乗っていることが少ないのです。どんな風かじっと観察していると、彼らはテーブルで食事はしてもその後、すぐ綺麗に片付けて机の上に飾り物を置くようです。そして食事時になるとまた、それらを移動させてテーブルクロスを敷いて、フォークやナイフを並べるといった感じです。食べ残しは、食後速やかにキッチンへ持って行かれます。さらに家の中を綺麗に保つことが得意なスペイン人のお宅には、プラスチックの収納ケースやグッズなどあまり見当たりません。
スペインにも日本同様、100円ショップ(tienda de veinte duros)や1ユーロ均一のお店(todo a un euro)など結構ありますし、バサール(Bazar)や中国人系の激安ショップ(chino)も多くあるので、上手に隠しているようです。あと、見せる収納でいろいろなものを賑やかに飾るのも上手な彼らですが、いずれも誰かに「見られる」ことを前提に飾っている気がします。あと、あまり物を買わないことも片付け上手の大きなポイントかと思います。