電車やバスなどの公共交通機関があまりない地域に住んだことのある人なら、早く車の免許を取って自分の行きたい時に行きたいと思ったことがあると思います。
街中の便利なところに住んでいればそうでもないですが、移動手段がない地方部に住んでいる人にとっては車の免許は死活問題で、これはスペインにも当てはまります。
スペイン交通局では、16歳から小型の電気四輪車を運転できるB1というカテゴリの運転免許の準備を進めています。
現在は、日本と同様に18歳から重量が3500キロまでで最高速度が時速120キロまでの自動車を運転できる免許を取得可能です。
また、15歳からは最高速度が時速45キロまでの原動機付自転車の免許を取得できます。
現在準備が進められているB1免許では、16歳から重量400キロまでで最高速度が時速90キロまでの小型電気四輪車が運転できるようになります。小型電気四輪車は原動機付自転車より安全で快適に移動でき、普通自動車よりは手頃な価格で入手でき、しかも環境に与える影響も少ないという利点もあります。短距離から中距離の移動には十分なようです。免許の取得には学科試験と実技試験に合格することが必要になる予定です。
B1免許の導入で、100万人程度の若いドライバーが増えると見込まれており、地方部の若者などの救世主的な存在になるのかもしれません。また、2035年以降はディーゼル車とガソリン車の販売が廃止される予定であることを受けて、若い世代に電気自動車への理解を深めてもらいたいという狙いもあるようです。新しい免許の導入時期はまだ不明です。
さらに、「安全かつ持続可能な移動」を学校教育のカリキュラムに盛り込むことも検討されているそうです。電気自動車が主流となっていく流れの中で、子供達もその流れに合わせて電気自動車などの新しい移動手段について知り、事故を避けて安全に生活できるようにすることも必要なのでしょう。
都市部と地方部の移動手段の格差は大きいと思います。新しい免許の導入でその格差が減ることは喜ばしいと思いますが、経済的な格差もあり、事故が増える可能性も考えるとなかなか難しい問題です。