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スペインの作家、『風の影』のカルロス・ルイス・サフォン氏死去

バルセロナ出身の作家、カルロス・ルイス・サフォン氏が亡くなったと6月19日に出版社が発表しました。55歳でした。癌との闘病の末でした。

 

彼の代表作と言えば、もちろん『風の影(La Sombra del Viento)』。多くの言葉に翻訳され世界で1000万部を売り上げるベストセラーになりました。バルセロナを舞台に「忘れられた本の墓場」をテーマとして繰り広げられるストーリーは、読む人をいつの間にかその時代に引き込みます。過去と現在が交錯する中で明らかになっていく秘密の数々。読み始めると、ドキドキして一気に読んでしまいます。

 

スペインの内戦の影響がまだ残るバルセロナで始まるストーリーは「忘れられた本の墓場シリーズ」として、2作目の『天使のゲーム(El juego del ángel)』、3作目の『天国の囚人(El Prisionero del Cielo)』 へと続き、4作目の『El Laberinto de los Espíritus』がシリーズ最終作となりました。決して明るいストーリーではありませんが、主人公の少年と父、そして父の書店に関わる人たちの人間としての温かさが感じられます。3作目までは日本語翻訳版が出版されているので日本語でも読むことができます。

 

デビューは1993年、10代向けの児童文学作品『El principe de la niebla』でエデベ賞を受賞。これに続く2作品『El Palacio de la Medianoche』 『Las Luces de Septiembre』と合わせて『霧の三部作(Trilogía de la Niebla)』と呼ばれています。そして2001年に初めての大人向けの小説『風の影』を出版したのでした。この作品がスペインで出版されたとき、普段本を読まない人までが夢中になって読んだそうです。

 

世界中で最も読まれ、称賛されているスペイン作家の一人であったカルロス・ルイス・サフォン氏。その死を悼みながら、彼の作品を読んでみるのはいかがでしょうか。Descansa en paz.(安らかにお眠りください)

 

 

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