去る10月22日と23日の2日間、スペインカスティーリャ・イ・レオン州ソリア県では、国際きのこの祭典が開催されていました。この祭典は、世界でも屈指のきのこのお祭りです。ソリア地方のきのこは、スペインの中でもその種類の豊富さと味のレベルの高さで特級品と認められています。赤銅色をしたニスカロ(日本名チチタケ)、ボレトゥス(ポルチーニ茸)、紫がかった黒い色の「死の小さなトランペット」(trompetillas de la muerte)と呼ばれる珍しいきのこや、黒トリュフなど。ソリアの山、谷、林、森などの美しい大自然の中で、夏の終わりから秋にかけて育った、珍しくて美味しいきのこをこのお祭りでスペインに、世界に披露しようという訳です。プロの料理人によって様々なレシピが公開されて大変盛り上がる様子です。
また、この祭典のプログラムには、カスティーリャ・イ・レオン州ソリア県の良さをもっと多くの人に知ってもらうためのキャンペーンの一環として「きのこ狩り」が楽しめるようになっています。また、子供向けきのこのワークショップや、きのこのプロによるレクチャーなど受講することが出来るのです。そしてガイドに付き添ってもらうきのこ狩りの楽しいこと。ソリアの観光案内センターで申し込むだけでほとんどのプログラムは無料で参加できるという特典もあります。
2年に一度、ミシュランガイドにも載るシェフもやってくるソリアのきのこの祭典は、ネットで予約さえすれば誰でも参加することが出来ます。参加できない場合は、オンライン中継をネットで観ることも出来ます。¡Castilla y León es Vida! で検索してみて下さい。
きのこ狩りについて
春のソリアのきのこは、形が特徴的。スポンジのようなきのこや、ラッパ状のもの、ヌルヌルしているものなど。毒性はないけれど、茹でこぼしてもクセが強くて美味しくないものも多くあります。反対に秋のソリアのきのこは、形もユニークで味も美味しいものがたくさんあり、松林を歩くと木の根っこ付近はもちろん、普通にそこら中にニョキニョキと生えているのです。そこで、きのこ狩りに行く時の幾つかのコツがあるのでご紹介致します。まず、きのこ狩り初心者の方は、ガイドさんに付いてもらうことをお勧めします。触るだけでも危険なきのこも中にはあるからです。また、きのこ狩りには必ずカゴを持参しましょう。理由は2つあって、まず採ったきのこをプラスチックの袋やビニールの袋に入れると、湿ってクタクタになってしまいます。あと、カゴに入れることで人間が森を歩き回る間中、カゴの隙間からきのこの胞子が落ちてさらに広範囲にきのこを生やすことが出来るからです。あとは、きのこを採る時は必ずナイフを持参すること。あとが生えにくくなるのできのこを引きちぎってはいけません。