(EL MUNDO 4月4日Web記事より)
路地、小道、並木道、街道、袋小路に大通りなどタイプは数あれど、我が国スペインにはそれぞれの町が持つ
個性豊かな味わいのある通りで溢れています。その中でも特に美しいと賞賛され愛され続ける通りをご紹介します。
1.カナリア諸島のテネリフェ島にあるアグスティン通り(Calle San Agustín , San Cristóbal de la Laguna-Tenerife)
かつて17世紀〜18世紀頃は豪奢な宮殿が肩を並べていた通りも現在は美術館と政府本部のある通りとなっています。
2.サンティアゴ・デ・コンポステーラのビラール通り(Rua do Vilar-Santiago de Compostela)
サンティアゴ・デ・コンポステーラは19世紀に中世期からの商業都市であった町からガリシア地方の首都となりました。
そのような背景から、フランコ通りとノバ通りにはさまれたミステリアスな雰囲気漂う芸術的な柱廊は、ガリシアの
歴史と伝統を感じさせられます。現在は公共機関のオフィスも隣接しています。
3.マラガのマルケス・デ・ラリオス通り(Calle Marqués de Larios-Málaga)
1891年に誕生したこの美しい通りは、2002年からはマラガにおける要の通りになっています。シカゴの建設家
エドワルド・ストラチャンによりインスパイアされた、季節や行事によってイルミネーションやデコレーションが
施されるこの通りは、つねにその美しい表情を見せてくれています。
4.カンタブリア地方の町カルテスのレアル通り(Calle Camino Real- Cartes, Cantabria)
この美しい人を惹きつける魅力のある通りは、ベサジャ川が流れるトレラベーガという町にあります。
昔ながらのお屋敷、宮殿や装飾アーケードが立ち並ぶこの町は、歴史的重要都市とされているほどです。
5.ガリシア地方のア・コルーニャのマリーニャ通り(Avenida de A Mariña- A Coruña)
町のシンボルともいえるこの通りは、漁師たちの船着き場を正面に、まるで舞台美術のごとく柱廊アーチで支えられた
一面ずらりと窓ガラスをはめ込まれた建物が並んでいます。その様子はまるで祝宴のようで、改築をかさねながら
華やかさを放ち続けています。
6.バルセロナのグラシア通り(Passeig de Gràcia-Barcelona)
1827年に誕生したこの通りは、カタルーニャ広場とグラシア・デ・マジョール通りにもつながっており、アイシャンプラ
地区のモデルニスモ建築やガウディ建築の立ち並ぶ、エシャンプラ地区の目抜き通りです。
7.ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ カディスのシエゴ小路(Callejón de los Ciegos-Jerez de la Frontera-Cádiz)
大きさではなく道の価値はその美しさによって決まるのです。例えば、カディスにあるこの迷路のような小道のゴンサレス
バジャス酒造はまさに町のシンボルになりつつあります。
8.マドリードのグランビア通り(Gran vía-Madrid)
首都マドリード近代化で、20世紀初めに誕生したグランビア通りは、無数の企業や店舗が立ち並ぶこのメインストリートは
その曲がり角の多さは想像の範疇を超える程で、また華やかさに置いてはスペイン不動の地位を保っています。
9.セビージャのベティス通り(Calle Betis-Sevilla)
メリメの小説とビゼーのオペラ戯曲としても知られるカルメンの働くタバコ工場のあるセビージャの町に流れる
グアダルキビール川岸に走るこの通りは、トリアナ地区独特の雰囲気で、そのきちんと並んだ色彩豊かな建物は、
町のシンボルのひとつと言えるでしょう。
10.グラナダのダロ通り(Carrera del Garro-Granada)
アンダルシアの中でも特にロマンチックでお薦めな通りがこのダロ通りです。ヌエバ広場とトリステ通りにつながるこの道は
非対称な道が特徴です。かの有名なアルハンブラ宮殿とアルバイシン地区や自然に囲まれたこの石畳の大通りはダロ川とも
平行に走っています。
11.コルドバの花の小径(Calleja de las Flores)
観光客が撮る数々の写真でも知られるこの小径は、色とりどりの花の植木鉢がデコレーションされています。カテドラルや
メスキータはもちろんこの小径は、コルドバの町あるいはアンダルシアの風物詩と捉えることができるでしょう。
12.アルバセーテのロダーレス通り(Pasaje de Lodares-Córdoba)
19世紀から20世紀にかけて商業発展と共に沢山の通りが誕生したスペインの中でも屈指の大通りです。スイス人の
Buenaventura Ferrando Castellsによって設計された天窓タイプのアーケードが特徴で、それを見る観光客が感激で口が
塞がらないほどとも言われています。町自体はあまり知られていなくてもこの通りは一見の価値があります。
13.マドリードのアルカラ・デ・エナーレス通り(Calle Mayor de Alcalá de Henares)
2つの川の合流をラテン語で意味するComplutum(アルカラ・デ・エナーレスのローマ時代の呼び名)へ続くローマ時代の
道の上に建てられたこの町の目抜き通りは、400メートルの長さとなっています。1998年には世界遺産登録されたこの
マドリード郊外の大学が集まる町のメインストリートには、セルバンテスの生家と歴史の古いアンテサナ病院もあります。
14.サラマンカのコンパニア通り(Calle de la Companía-Salamanca)
サラマンカの町のシンボルとも言えるCasa de la Conchas(貝の家)、ポンティフィシアサラマンカ大学、サン・ベニート教会
マードレ・デ・ディオス修道院やモンテレー宮殿に囲まれたこの通りは、スペイン国内でも魅力の多い壮観な通りと言えます。
15.アリカンテのエスプラナダ通り(Paseo de la Explanada-Alicante)
スペインの東側の海岸地域の中でどうしても一箇所だけ選ぶとすれば、この通りを挙げることになるでしょう。
全長500メートル、海沿いに通るこの道はモザイク模様が道を一面に覆い、様々な時代の建物の混在と海とのコントラストが
美しい通りです。
16.パレンシアのマジョール大通り(Calle Mayor Principal-Palencia)
スペイン19世紀に誕生した典型的な通りで、パレンシアの町の中心を通る代表的な通りです。彫刻の施された柱が特徴的で
現在は町の一等地となっています。映画監督兼脚本家のホアン・アントニオ・バルデム(国際俳優のハビエル・バルデムは甥にあたる)
は1956年「Calle Mayor」という映画をこの通りで撮影をしています。
17.マジョルカ島のボルン通り(Passeig del Born-Palma de Mallorca)
19世紀の島の近代化により誕生したこの通りは、亀という名前の広場とレイーナ広場につながっています。建設家の
イシドロ・ゴンサレス・ベラスケスによって設計された三角形のサロンの様な広場からなる通りです。この広場からはカテドラルや
パルマモニュメントが見渡すことができ、取り囲む壮観な作りの建物は、建設家ガスパールベナサールによって建てられました。
18.シウダーレアルのセルバンテス通り(Calle Cervantes-Villanueva de los Ingfantes- Ciudad Real)
16世紀から19世紀にかけてのラ・マンチャ地方の貴族の宮殿が立ち並ぶこの通りは、眺めているだけでも楽しくすばらしい通りです。
シウダーレアルはマドリードから南下したモレーナ山脈の麓です。現在はかつての市場が現代アート美術館になっています。